第二話 学校の巻


 

 

 

宮間夕菜が式森和樹の家に不法侵入を果たした翌日、学校までの登校の道すがら会話をしつつ歩いていた。

 

面子は殆ど毎朝和樹を迎えに来る沙弓と、神城凛、そして何故か風椿玖理子、見方によっては一年、二年、三年の葵学園のトップクラスの美女、美少女をはべらして歩いているように見えるだろう、羨ましい限りだ。

 

勿論この面子が迎えに来たときアルの機嫌が急降下し(和樹視点、体感より)、冷ややかな目で見られ、微妙に拗ねた目で「覚悟しておろうな」と呟かれ、背が寒くなったそうな。

 

沙弓だけならば其処まで不機嫌にはなられずに済んだであろうに、三人ともなると些か不機嫌になるのはどうしようもあるまい、浮気者の連れ合いに嫉妬を抱くなと言うのは無茶だろう、因みに夕菜の嫉妬と同一視することは決して出来ないが。

 

あれはかなり不当な嫉妬だから。

 

まぁ、今現在に於いても式森和樹は若干の嫉妬を浴びているのだが。

 

正確には暴力を伴ったプレッシャーだろうが。

 

「で、和樹、神城はともかく何で風椿さんがここにいるの?怒らないから言ってみようか。私の推測だと、また手を出したわね」

 

「式森先輩、大丈夫です、早く正直に言えばそれだけ苦痛も少なくて済みます」

 

手の骨を鳴らしながら+柄を握りながら、絶対に怒るという意思が見え隠れしている二人に迫られる和樹君、浮気者の正当な罰と言うか責任と言うか。

 

この二人が考えているのは和樹の被害者(自分たちのライバル)が増えたと思っているからである、彼女たちにしてみれば和樹に好意を抱く女が増えるのは面白いことではない、自分だけが和樹の女ではないと言う事実を理解し納得していても、そこはそれである。

 

でも何人に手を出しているんだろう和樹君、現在、アル、沙弓が確定、凛、麻衣香が候補といったところか、玖理子は不明。

 

「当方の記憶にございませ「政治家の答弁ならいらないわ」・・・・・」

 

和樹の、多分本気では言っていない答弁は一言の元に却下され。

 

「先輩、早く話してください、私としてもこのようなことは心苦しいのです」

 

(凛ちゃん言っていることとやっていることが違うよ)と心の中で嘆くような事を言われ。

 

誰もそんな嘆き聞いちゃくれないんだろうけど。

 

数人の美人に好かれる男など他の男から見れば殺戮対象にしか見えまい。

 

「えっと、本当に今回は知らないというか・・・・・・・・・」

 

沙弓に首をつかまれ、凛が鞘ごと刀を振りかぶっている、どうやら普段の行動からしらばったくれていると判断されているようだった、愛されているはずなのに何気に信用が無い。

 

「嫌だから本当に知ら・・・・・・・・・・・・」

 

それでも和樹も身に覚えの無いことは答えようがなく、否定するしかないのが実情。

 

それをちゃんと聞いてくれるかどうかは別の話となるが、実際沙弓が満面の笑みを、凛が見るものを凍てつかせる笑みを浮かべ、両者ともそれはそれは魅力的な笑み(和樹談)で、シンクロして口を開いた。

 

「「早く吐きなさい(いてください)」」

 

有無を言わせない、というか和樹が玖里子に手を出したというのは二人の仲で確定事項なのだろうか?というか本当に何人に手を出した和樹。

 

因みに沙弓の手は段々と力がこもり、凛も刀は今にも抜刀されんばか、和樹が微妙に生命の危機にさらされつつあったりする、まぁ、殺されはしないだろうけど。

 

勿論普段の行いのせいなので、同情の余地はこれっぽっちも無い、帰ってきたらロリペタな同棲相手にも嫌味や文句を言われることだろう、物理的な説教も伴って。

 

「大丈夫よ、凛、沙弓ちゃん。私は和樹にまだ(はい、ここ重要)手を出されていないから、姉さんが気になる男ってのに興味があって今日は来ただけよ。まだ(さらに重要)大丈夫よ」

 

「そう」「すいません先輩」

 

と、玖里子の言っていた、気になる部分には気付かず、一応納得する。

 

といっても微妙に猜疑の瞳を和樹に向けている二人ではあったが、どうやら信じていないらしい。

 

徹頭徹尾、女性関係には信用の無い式森和樹だった。

 

「「信じられますか(ません)」」

 

少なくとも女性たちのコメントではそれが反映されているようだ、だがこの二人案外気があっているのかもしれない、二人共武道系だし。

 

玖里子はそんな様子を面白そうに笑いながら眺めているだけだったが、それなりに愉快そうに内心(この中に私も加わったら面白そうね)

 

とか思ったり思わなかったり。

 

そんな思考が浮上するあたり彼女が和樹の毒牙に掛かるのは遠い日の話では無さそうだ。

 

因みに学校に着くまで和樹に対する凛と沙弓の猜疑の目はやまなかったと追記する。

 

 

 

 

 

教室前、凛と玖里子とは学年から違うので下駄箱で分かれて、沙弓とともに教室に向かう、この辺は概ねいつも通りと言うか日常的な光景なのだが。

 

何時もと違うのは。

 

ドアを開けた瞬間。

 

「天誅ぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!!

 

と叫びながら殴りかかってくる人間が存在していたことだろう。

 

しかも拳に魔法が付与させて完全にふざけた攻撃とは判断出来ないレベルの攻撃を加えてくる。

 

自称和樹の親友、悪魔のクラスB組の癌細胞、アジテーター、欲望の権化、その他諸々の悪徳の集大成、もしくはベスト・オブ・本末転倒、仲丸由紀彦である。

 

勿論あたったら大怪我必死である。

 

和樹があっさりそれをかわすと。

 

「何でかわす、式森!!!貴様は神意により罰が下されることが決定した、大人しく神罰を喰らえ!!!

 

不条理な、叫びを発して非難してくれた。

 

「何を言ってる、仲丸、ついでに何をする、当たったら怪我で済まないぞ。治療費は出してくれるのか」

 

この馬鹿げた台詞に対抗できる辺り和樹君もこのクラスでやっていける人間だという事だろう、この葵学園特別監房教室と言われる二年B組において。

 

まぁ、反論している言葉は正論なんだけど、ここではその正論が通じることは先ずありえない、正論を屁理屈で捻じ曲げるのが得意な連中の巣窟である。

 

「何をするだと、貴様、朝から一年の神城凛と三年の風椿先輩とともに登校してきたであろうが、何を企んでいるか知らんが、美少女二人の弱みを握ったのだろう。なんて羨まし・・・・・・ごほっ、ごほっ、俺は貴様のその邪悪な計画から正義の名の下に彼女たちを解放しなければならない、それがこの世に真理だからな。故に神意、故に神罰だ。勿論神罰である為治療費は俺は払う義務は無い!!!

 

と、言うことは微妙にまとも(?)だが、本音が混じってはいる。

 

絶対、美少女三人と登校して妬ましい、モテル男に死をというのが目でわかる、その濁りきった目がそう言っている、治療費の辺りは損をしたくないと言う本能的な判断から言っているのだろうが。

 

見渡すとクラスの殆どの男子が同様の目で和樹を見ている、誰も彼もが嫉妬の類の負のベクトルの感情を和樹に差し向けてくれる。

 

シンクロニシティかと思わんばかりの一致率だ、というかなんでこいつらはこんなに意思統一できるんだろう、普段は意思統一自体を害悪だとすら思っていそうなのに(自分が得をするために他人の裏をかこうとするので)こんなことに限って、特に共通の敵が出現したときだけは協力し合えるのだろうか。

 

だが、実際にこのクラスの団結力は本当にマイナス方向にかけては驚愕に値する、結構面倒極まりない、能力だけは高いから。

 

「大体貴様は、俺達が辛酸を舐めて杜崎との仲を承認したというのに(沙弓自らの手で物理的に説得された、仲丸はその時の物理的説得で三途の川の存在を信じたようでした)更に美少女二人だと、赦されると思っているのか。人類に喧嘩を売る人非人め!!

 

記憶の捏造辺りも行っていそうな台詞を吐き出し、自分の言葉に更にエキサイトしている仲丸、それに煽られる男子生徒達。

 

「えっと、落ち着いて」

 

「これが落ち着けるか!!

 

「式森に、死を!!!!!

 

「モテル男はそれだけで罪と知れ!!

 

「はははは、式森。この薬を飲め、それでおれたちとの友情を確認しよう。無事だったら親友だ」

 

殺気立っているもの、本音を叫んでいるもの、怪しい液体を出してくるもの、さまざまだが目は共通して妬ましい、他人の幸せ自分の不幸といった色に染まっている、見事な意思統一である、もっとマシな方向に統一されないのかと常々思うが少なくとも現在エキサイトしている連中がそうなる可能性は隕石が虫に的中するよりも確立が低いだろう。

 

只、男子も女子も同じ人種の坩堝であるクラスで何故か女子が参加していない、まぁ、男女の性差と言える問題もあるが、まともな神経をしていたら参加したくは無いだろうがし。

 

傍目に男子連中の行動はかなり醜い種類の光景だろうし。

 

「式森、俺達は友達だ、だが時に俺達はそんな友達が道を踏み外そうとするとき、正してやらねばならん、たとえどんな手を使ってもな、それが本当の友達ってもんだろ、覚悟!!

 

言う事は立派だが、行動と表情が結びついていない人間の典型、仲丸由紀彦。

 

只、集団暴行に発展しそうな男子の行動は未然に防がれることになる。

 

ドゴンッ!!!

 

仲丸に響いた鈍い打撃音を始めとして。

 

和樹の隣でこの暴動紛いを眺めていた沙弓が仲丸の水月(鳩尾)を蹴り上げたのだ、かなり容赦も手加減も無く、それに続いて周囲から魔法が雨あられと降り注ぐ。

 

標的は和樹ではなく、和樹を取り巻く暴徒寸前の男子、その魔法を喰らい豪快に男子生徒が吹き飛び、煙を吹き上げて痙攣している、彼らの注意が完全に式森和樹に集中していたので不意を突かれた形で攻撃を受けた男子が抵抗するすべは無かった。

 

大体ミディアムレアという感じに程よく焦げて、教室の床に転がることになっている。

 

因みに、奇襲の実行者はB組女子有志数名(和樹の被害者&好意を持つもの=手にかかる寸前)による暴徒に襲われそうな和樹の救出=和樹へのアピールである。

 

面子は松田和美を筆頭に高碕涼(あんたレズでは)、飯尾未空などがちらほらと参戦している、クラスの女子半分を超えているのが凄い。

 

ここの和樹君は本当に女に対してはかなりアグレッシブで見境が無いようだ、ある意味男女共通の敵だろう。

 

本人曰くは一応の基準はあるらしいが、基準が在ろうが無かろうが世間では鬼畜と呼ばれる人種、式森和樹であった。

 

 

 

 

 

沙弓の蹴りを人体急所に貰い、更に集中砲火にあって取り分け酷い怪我を負った筆頭、仲丸由紀彦。

 

「仲丸君、何で床に寝ているの?風邪引くわよ」

 

と、邪笑を浮かべた松田がにこやかに(?)笑い掛け、それはもう冷徹なサディストの微笑を湛えて、もしくは愉快で溜まらないと言った表情だろうか。

 

「松田、手前裏切ったな・・・・・・・・」

 

「私は別に裏切ってないわよ。最初から私は和樹の味方だから、何時から私は貴方の味方になったのかしら」

 

その言葉の後に振り下ろされる靴の底が、再び仲丸の鳩尾を貫き、それがトドメの一発となり仲丸の意識は落ちた。

 

主張するだけ主張したが呆気無く敵意を剥き出しに迫った相手以外に伸される男子達、かなり救いようが無い。

 

原因が自業自得なのだが、その救いようの無さがちょっぴり哀れでもある。

 

 

 

 

 

只、彼女達、つまりは和樹を助けた女子生徒達だが何も100%善意から和樹を助けたわけでもない、彼女達は和樹に好意を抱いてはいるが、好意を抱くという事はその好意の対象に嫉妬の念や独占欲を感じるのは世の常であり。

 

つまり和樹は未だ解放されるには至っていない。

 

男子達の直接的暴力から女子達の尋問に変わっただけである。

 

??回女子有志式森尋問大会、B組内部の女子により開催される式森和樹の取調べ会である。

 

かなり頻繁に開かれる大会なのだが、その辺の原因はすべて尋問の対象者、式森和樹の自業自得と呼べる行為が招いているので同情には値しない。

 

因みに別名、式森和樹の愛人認定委員会

 

式森和樹が手を出した女の子を和樹本人より聞き出し(因みに黙秘権は認められていない)、相応しいか否かを問う会議も行われるのだが。

 

こちらの機能は殆ど承認しか出されないので、早く言えばライバルの情報暴露大会と言っても差し支えは無い。

 

今回は風椿玖理子との関係を暴露させられ、実際には昨日が初対面なのだから関係もあったものではないのだが、彼女の姉の麻衣香はこの委員会のメンバー(和樹の餌食となった女子生徒)に察知されていたので、説明は中々受け入れられなかったと追記しよう。

 

因みに凛ちゃんは四大会前くらいに暴露されているので、今回は尋問対象にはなっていない、男子が今日凛との関係を疑問視したのに対して此方はかなり前に察知していたのだから情報収集力もかなり上であろう。

 

最後にこの大会は査問委員会をも兼ねている。

 

正確には、浮気しちゃったねお仕置き大会

 

そのお仕置きの決定権も握っているのだ。

 

お仕置きと言っても苦痛が伴うことではなく、まぁ、世の男性諸氏には涙を流して自分からお仕置きを受けたいと呼ばれるような内容だが。

 

この内容は、余り和樹に嫌われたくない+自分たちにも利益というか浮気をまたしたことに対する償い+単純に欲望の満足。

 

一番最後の項目が重要なのは言うまでも無い。

 

 

 

 

 

尋問大会終了後松田、高碕、飯尾の三人に連行され(授業は強制的にサボらされた)、どこかの空き教室で、怪しい行為に耽ることになった。

 

因みにこの空き教室は何故かB組女子生徒が頻繁に利用し、使える男子生徒は一名のみとなっている、加えてこの教室の使用権は何故か学校側には無い。

 

恐らく彼女達が自分達の為に教職員の弱みでも握り、それを利用して手に入れたのだろう。

 

前日の沙弓同様暫く謎の行為がご無沙汰だったのか有無を言わせず調子で引きずり込む三人の美少女たち、何故かB組の女子生徒の外見は全員見目麗しい美少女がそれはもう嬉々とした、艶やかな、何かを求める表情で、それでいて嗜虐的なメスの表情をして和樹に迫るが。

 

彼女達が攻勢に立てたのはその謎の行為において序盤のみで。

 

それ以降は終止劣勢に立たされることになる。

 

松田の哀願するような悲鳴が、誰もいない教室内に響き、何かがぶつかり濡れた音が響き、加え続けられる快感に嬉しい悲鳴を上げる。

 

高碕の嬌声が響き、感極まったような声にならない悲鳴が上がり、劣勢にありながら更に挑発的な言葉を出すもそれは弱弱しく、自身の声にかき消されてしまう。

 

飯尾の懇願する声が響き渡り、最後には自分から和樹に跨り、自身の快楽を貪る。

 

基本的に和樹は攻めだから(何がだとは突っ込まないでください)、このお仕置きと罰則もどちらかというと和樹が主導となる、この時点でお仕置きと言う言葉に激しく矛盾している気がするがその辺は置いておこう。

 

というか和樹4○ですか、鬼畜度アップ、と言うか本当に実際に何人の女の子を食っている式森和樹。

 

 

 

 

 

ついでに記載するが、そのときの沙弓は目の前に来ている転校生宮間夕菜の存在に頭が痛くなって、どこかで浮気(もう最近は諦めてきている、しかもその行為は自体は自分が認めている)をしている和樹に少し嫉妬していた、嫉妬というよりは、面倒なことを思っての憂鬱かもしれないが。

 

 

 

 

 

アルはというと、今日はお昼寝をそこそこで切り上げ、何時もはたっぷり三時ごろまで眠りに付くのだが(何気に一日の半分以上を寝て過ごす堕落人間だ)、隣のウエストのところのエルザと家庭用ゲーム機で連戦連敗記録を更新していた。

 

つまりは開始して数時間も経っているのにアルは一勝も出来ていないのだ。

 

まぁ、エルザから見ればその手のゲームなど簡単なのだろうが、一応はエルザ超高性能の独立行動が出来るロボットである、忘れがちな事実だが。

 

「ぬぅー、なんでこの機械人形に勝てぬのだー」

 

「無駄無駄無駄ロボ、カビの生えた古本娘に負けるほど、エルザのパーフェクトな脳(あるのか?)はさび付いてないんだロボ」

 

「うーっ」

 

と、延々数時間格闘ゲーム、パズルゲーム、シュミレーションゲーム、レーシングゲームと連敗を重ねていくのだった、最後のほうは半泣きでコントローラーを握っていたりする。

 

涙をためて悔しそうにしているアル、可愛らしいを通り越して犯罪、もしくは秘宝。

 

しかしエルザは容赦がなかった、普段小生意気な小娘をこてんぱんにする快感に酔いしれていたとも言える、因みに年齢的にはアルのほうがかなり年上なのだが。

 

どうも精神年齢が外見と一致しているような節がある二人である、しかもなんだかんだでこの二人も仲がいい。

 

喧嘩友達としてだろうが、微笑ましいレベルなので周りからはじゃれ合い(かなり過激な)とでも見えないことは無い。

 

結局、和樹が帰ると泣いて悔しがって和樹にあやして貰うところをエルザに見せ付けたら、その後人外大決戦勃発、勿論その被害は和樹に行き。

 

被害が行くのは自然の摂理のような気もするが、その夜、アルへとあるなぞの行為として帰ってきたそうだ。

 

まぁ、本質的にはアルもその行為を嫌悪しているわけではなく、かなりすき者なのだから不幸なのは当てられたエルザだろうか。

 

ウエスト当人はというと。

 

「平和であるなあ」

 

とらしくないこと呟いて、怪しげなものを製作していた。

 

自分の娘とアルとの喧嘩には手を出さないのがこのキチガ○の基本スタンスのようだ。

 

 

 

 

 

因みに玖里子が、学校に来てすぐさま理事長室で麻衣香に授業中であるにも拘らず報告していたりする、いきなり念話で理事長室に来るように厳命されたからなのだが。

 

これを強制的に呼び出されたと世間では言う。

 

呼び出した用件は、前日のマンションでの出来事を詳細に聞きたいというものであったが。

 

「・・・・・・・・・・・・というわけで、今のところは今言ったくらいよ、姉さん」

 

麻衣香は今聞いた玖里子の報告と、どっから手に入れたのか身辺調査書のような書類を見て、恐らく個人的な手駒を使って何かを調べさせたのだろう。

 

多分、恐ろしくプライベートな用件で。

 

「ふふふ、・・・・・・・・・・・小娘が」

 

「ね、姉さん」

 

いきなり含み笑いをする姉にびびったのか、若干玖里子が引きながら。

 

「ふふ、まずはあの骨董品ね、それに杜崎、神城、松田、高碕、飯尾、私の可愛い坊やに、何人手を出すつもり。宮間の小娘を世迷いごとを呟いているようだし・・・・・・・・やっぱり入学拒否しておけばよかったわね」

 

何やら問題がありまくる発言だが、最後のほうは貴女の立場の権力を私事で振りかざしていません、麻衣香さん。

 

「ひぃぃぃっ」

 

麻衣香の表情に恐れをなしたのか玖里子が悲鳴を上げてあとずさる、姉妹さえ震え上がらせる表情、如何なるものだろう。

 

「ふふ、ふふふふ・・・・・・・・・・・」

 

というか、麻衣香ショタですか?

 

貴方確か30前後(ぐちゃ)・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

因みにデビルキシャーと呼ばれる人類規格外の電波娘は。

 

世にも哀れなB組担任教師に自己紹介を薦められたとき、何故か、恐らく自己内での妄想が本人の中で現実化してしまったのだろうが式森夕菜という血迷ったことを口にしたため(この時男子生徒は揃いも揃って保健室送りになっていたが)、三時間目開始前ぐらいに戻ってきた時。

 

??1回式森尋問大会が開廷したとか、されなかったとか。

 

なお、満場一致で和樹の恋人認定は棄却に終わったという事だけは述べておこう。

 

 


後書き

和樹の学校生活編、ここは夜華でも四話で一話分を加筆修正したものですが、内容が紙に直すと四枚分増加という加筆になっています。この話、エロさは多少控えめに書き直しております、基本的にここは十八禁が駄目ですので、この辺りまでなら十五禁でとおるかなぁ、多分。面子も少々出てくる回ですし、第参話ではさらにキャラが出てきます。

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