涼宮ハルヒの慕情
「只の人間に興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者、もしくは何でもいいから面白い人間がいたらあたしのところに来なさい。以上」
それが神城凛のクラスの転校生、涼宮ハルヒの自己紹介すら省いた開口一番の台詞。
ストレートのロングヘアーにリボン、意思を漲らせた顔は十分に容姿端麗のしかも上等の部類に入り、意思の込められた声も良く響き人心をつかむ類の意思が込められている、スタイルもいいし、腰まで伸びる髪は絹のように滑らかで美麗な容姿と相俟って中々の美少女、発言の内容はともかくとして、十分に男子が垂涎の的となるくらいには十分な美貌だろう、美貌だけなら。
このクラスのもう一人の美少女は既に売約済みと言うのだから男子連中も燃え上がるかもしれない、先程の発言がなければ、まぁ本人としては冗談でもギャグでもなんでもなく、大真面目であるが。
普通の人間性を確保している人間はいきなりあんな調子の発言を飛ばされれば外見的な容姿よりもその人間性が奇異に写り、やすやすと近づくことを躊躇わせるだろう、自分から変人ですからと言って仲良くなろうとする男子がいたらそれはそれでつわものだろうし、十分に変人だろう。
また最初のこの台詞で彼女を忌避する人間には彼女と付き合えることなど到底無理だろう、どう理解しても荒唐無稽であろうその人格によって振り回されるのがオチで、彼女と対等な付き合いを行うのは難しい、振り回されつつもある程度は自分を確保できる人間でなければ彼女の相手は些かキツイ。
というか、彼女に付き合いきれないで離れていくしかなくなる。
彼女は魅力的な人間ではあるが些か過ぎて特殊な傾向の魅力をそれ以上に保有している、それを理解でき、折り合いをつけて、諦めるとも変換できるが、出来る人間でなければついていけないのだ、変な方向に驀進している彼女の人間性には。
で、その人間性を見せ付けられて呆気に取られるクラスメートの中、神城凛はふと目の前の少女、涼宮ハルヒをみて何故か変な予感がした、悪い予感か吉兆かそれは不明だが。
不機嫌そうな顔で椅子に座る涼宮ハルヒの顔が何か気に掛かる凛だった、何故か右手に黒い革の手袋をした涼宮ハルヒに。
只、この時がこれから長きに続く美少女コンビ、後に一年生のトラブルメーカーズ、唯一葵学園特別留置所などと言う不名誉な蔑称で呼ばれる二年B組に匹敵するクラスの始動であり、この二人の出会いだった、色々な意味で仲良くなる二人の。
凛が感じたものは彼女と自分の間にある“縁”のようなものだったのかもしれない。
因みに凛は十全に彼女の要求を答える人間だったがその辺の自覚はまったくといっていいほど無かったりする。
因みに、これからの付き合いにおいては凛がハルヒの尻拭いの役割を担うことになりそうである、たぶん確実に。
破天荒なハルヒに基本的には生真面目な凛。
まぁ、当然の帰結かもしれない。
その日の昼休み、毎日の恒例のことだが神城凛は基本的に二年生の式森和樹と昼食を摂る。
入学以来の習慣であるからしてそれは何も問題はない、クラスの人間もその点に関しては承知している、最初は話題の種にもなったものだが。
クラスの男子生徒の誘いも冷たくあしらい、ストイックな少女が彼女の最初のイメージだったから彼女が男と毎食を共にしているのは年頃の生徒には格好の話の種になる。
だが、それも毎日続くと話題性も大したものではなくなってしまう、凛に彼氏がいることを羨む女生徒やその彼氏を妬む男子はいてもそれが当たり前に為ると話題の種にも上らない、当たり前と受け入れてしまえれば日常に埋没する。
大体においてそういうものだろう、特に物事への興味が強い学生時分は一つの話題に早々長くは続かないもの、それに本日に限ればかなり奇異な話題の種がいることだし。
凛本人としてはここ最近B組に棲息するとある猛獣のためにより、依然と同じように食堂などで二人が食事を摂る等といった人目につく場所は拙いと言う事情が出来上がっているのだが、理不尽なことに。
今では食事をする前に戦闘に移行する、大体なんですきっ腹で意味の無い理由で戦わなければならないのか。
そんなことは御免被るのが人間の心理、出来るだけ食事は安らいで摂りたい、故に最近ではそれなりに目立たない場所で昼食を取るようになっている
心なしか大勢(食堂だと二人きりではなく和樹関連の女子で大勢の食事となる、最初は二人っきりだったのだが)で食事を摂れなくなった事を残念に思う節を凛は見せることもある、これは彼女が幼少期に置いては家の事情で親しい友人が少なかった為だろう。
和樹と二人きりも悪くは無いが、大勢での食事も楽しい、まぁこの点に関して言えば和樹と食事を取る回数が極端に減ったほかの女性のほうが不満はありそうだが。
凛は中学三年の時は和樹と完全に同棲していたのだし、今でも半ば同棲のようなものだ、一日に一度は食事を共にする、他の女子となると昼食限定のものもいるのだから。
まぁ、それはさておき。
最近では金髪の真祖の吸血鬼がベッタリと凛の旦那様についている為、彼女の従者、茶々丸も付いて、4人の昼食となる、茶々丸自作の昼食はそれなりに美味なのだし、食後に人目が付かないと言う理由で接吻をしてもらえるので、その点は満足している。
結局は色ボケの凛なのであるが。
接吻の時は凄まじい目で吸血鬼に睨まれる凛だが特に直接的には何もされないらしい。
で、この日も、いつ如何なるときも携帯している、呼べば来るので携帯する必要はないが、凛曰くは気を引き締めるためらしい、贄殿遮那を持って教室を出ようとする。
因みに遮那はかなりの長太刀なので彼女の身長ぐらいあるのだが。
今日は立ち入り禁止の校舎の屋上での待ち合わせだ、どうでもいいが、彼らは最近段々食事の場所の危険度が上がっている、屋上といっても角度のある屋根なのだし。
ある猛獣の追撃が最近厳しいと少年がこぼしていたが関係あるのだろう、教室を出るときが先ず第一関門で、何が第一関門なのか、中々に捕まると猛獣に降臨した魔王を払うのが困難なので、逃げの一手しかないらしい。
近々、別の対策が必要になるだろう。
それはさておき。
よって予定通り習慣的な行動で教室を出ようとしたが、今日は違った、出ようとする彼女を呼び止める声。
まぁ、もう皆さん、誰が声を掛けたかなんてお分かりでしょう、至極平凡なクラス、どこかの破壊神が降臨した証券取引所のようなクラスではあるまい。
この教室で彼女、涼宮ハルヒの興味を引ける人間など只一人、今朝の彼女の発言のなかの面白い人間と言う項目で該当する少女、神城凛。
それを涼宮ハルヒは逃さなかった、と言うか逃すはずがない、まさしく凛は涼宮ハルヒという猫にとっての鼠だった、それはもういろんな意味で美味しそうな、因みにハルヒは凛を別の意味で美味しそうとのたまう趣味は無いのであしからず。
「神城凛ちゃん、ちょっといい」
これが凛とハルヒのファーストコンタクト、後にかなりの話題とトラブルを振り撒く二人の出会い、もしかしたら、このときに凛は高校生活の三年間をハルヒに振り回されて生活することが決まったのかもしれない、デビルキシャー以上に(振り回される意味合いは違う)。
しかし、このときの凛はそんなことは露知らず、この風変わりな転校生、昼休みに至るまでの時間に目立つ行動はとっていたが凛には関わってこなかった少女に受け答える。
と言うあの発言から十分にハルヒが目に付く存在にはなっていたのだが。
「何か」
簡潔に問い返す、基本的には和樹が絡まなければストイックでク−ルな少女、神城凛。
それが神城凛の普段のスタイル、クラス内では、時たま和樹関連のはちゃけぶりを見ているので、そうは見られていないが、因みにそれを自覚していないのも凛一人だけ。
突然教室を飛び出したり、学校の片隅で和樹と唇を合わしていたり、食堂でラブラブ昼食を食べていたり、登校時に野太刀を振り回したり、中々にはちゃけているのだから。
よってクラス内の見解でも彼女は面白い人間と思われていても仕方が無いだろう、絶対。
で、伝聞として彼女に伝わるのは十分必然。
涼宮ハルヒは凛の全身を舐めるように眺めて、それはもう上から下まで入念に這いまわるような視線で、これを男がやったら視姦でセクハラだろう。
「ふーん、ちっちゃくて、お人形みたい、それにロリっぽいし萌えるわね、それにしてもこの子がやってるなんて私だってまだなのに」
なにやら不穏なことを呟きつつ、確かに正鵠をいているような気もしないではないが、勿論セクハラ発言である、最後のほうに更に小さい声で何か呟いていたが。
オヤジかお前は。
微妙に性行為には興味があるらしい、まぁハルヒもお年頃の女の子。
「駄目じゃない、あなたみたいな面白そうな人が私の所に来ないなんて、まぁ、いいわ、凛ちゃん、友達になりましょう、いいわね、拒否ったりしない、ん、オーケー」
既にちゃん付けである、この手の強引さが、涼宮ハルヒが涼宮ハルヒたる由縁か、どうでもいいが既にハルヒに面白い人間として認定されているようだ、認定されないわけもないが、因みに自分からハルヒの前に行くような奴は色々と終わっているのだが。
で、認定された時点で全てが決まっている、彼女の行動に振り回される。
勿論凛は混乱した、個性的な人間との付き合いが多い凛とはいえ初対面でここまで飛びぬけたのはいなかったのかもしれない。
キシャーは別の意味と言うか、なんと言うか、あれはあれで初対面で抜けていたが。
因みに涼宮ハルヒは喜色満面でこれを言っているのだが、今にも不敵な笑いを出しそうな表情で。
それでも凛が何とか搾り出した一言。
「私が面白そうな人なのか?」
やっぱり自覚ないらしい、なかなか稀有と思うが神城凛は、因みにハルヒの面白いと言うのは人格的と言うよりは経歴、能力、素性などで本人の人格の面白さとは異なる。
人格を見ないわけではないが、先ずは付随物に注目するのである。
彼女が追い求めるのは“変人”ではなく“常識を超越した人物”なのであるから、”変人”なら葵学園は一山幾らぐらいの感じで存在していそうだし。
それにハルヒがきょとんとした顔で、何そんなこと聞くのとでも言った感じに。
「勿論よ、稀有な人材よ、神城凛ちゃん、可愛いし」
で、つらつらと述べる、何の迷いもなく、なんとなく凛の自己認識が変わるかもしれない。
「だって確か退魔師の家柄で跡取り娘、家のしがらみで恋人と引き離されそうになって14歳の頃に家出、現在同棲継続中の男の家に転がり込んで肉欲にふけっている一年生のアンチ清純派剣豪アイドルって聞いたけど。ついでにその男の人を現在も騙し続けて、本当の婚約者から奪い取った魔性の女、泥棒猫っていうのもあったわ。それに可愛いし、しかもロリ系、刀を携帯、十分に面白いわよ、最近漫画にもそんなキャラいないわよ、うんうん」
最後のほうは妙にノリノリで。
因みに凛ちゃんは現在床に膝をついて、肩を痙攣させている、もしかしたら全身が震えているのかもしれない、勿論顔は真っ赤でそろそろ蒸気でも発しそうだ。
因みにハルヒの情報の情報源は前半部クラスメート(凛は同棲の辺りは普段寮にいないのでバレているかな、ぐらいに思っていたようだが、実際は完全にバレてた、アンチが付くのは一応清純派とは言い辛いから、肉欲にふけっていると言うのは、男の家に転がり込んでいるので当然付けられた噂である、何気に一年生で一番大胆な女子生徒、進んでいる女子生徒と凛の知らないところでいわれている)、どうやらマジに凛ちゃん自覚がなかった。
後半部は、偶々ハルヒが前半部を聴いている所に通りかかった、B組の背の高いお姉さん、杜崎沙弓嬢。
それはもう嬉々とした様子で語ったそうだ、実際はハルヒが語った内容よりも強烈なことを、ハルヒも流石にそれをストレートに伝える気はなかったのがその辺は省いていたが。
だが、やはり恨みがあるか沙弓(沙弓は和樹の婚約者、それをほうっといて凛が和樹を盗って行ったと沙弓は認識している、間違ってはいないが、正確でもない認識ではある)。
只、この二人、同じベッドに入ると相性がいいのか似たもの同士なのかかなり燃え上がる、それはもう和樹君にかなり激しく鳴かされるコンビなのだ。
和樹のお気に入りの組み合わせでもあるもだが二人揃うと完全に従順なMとなるし、どうやら競争意識で奉仕のレベルがグンとあがるらしい。
対抗心で自分から腰を振ってくれるしいつもよりキツメのプレイも可能。
「それは誰に聞きました」
「最初の方はそこら辺の奴、後半は背の高い格好のいい上級生の女子、凛ちゃん凄いわね、後でどんなのか聞かせて頂戴」
瞬間、凛の顔の真っ赤の意味が羞恥から怒りに変わりましたとさ、すぐさま犯人がわかったようだ。
どうやら噂の発信源に怒りを燃やしている、贄殿遮那に力が篭っているのが怖い、確実に対峙したら抜くだろう。
天目一個が怒り出さんか、痴話喧嘩に使われたら。
「どしたの、凛ちゃん」
そんな凛がいまだ顔を真っ赤にしている時にハルヒは畳み掛ける、口元をニヤリと歪ませて。
「ふふふ」とでも笑い出しそうだ。
そう何かお気に入りの玩具を見つけた子供、それともマニアックなゲームを見つけた最近悲惨な吸血鬼と同じような顔をして、その悲惨な吸血鬼のおいたを見つけたちびっ子吸血鬼の顔であるかもしれないがつまりはとても何か面白いことを期待する人間の顔である。
「まぁ、詳しい話は本人からっと、と言うことで一緒にお昼に行こうっと、いいわね、凛ちゃん、彼氏も見たいし」
と言うわけで、連行されていく凛だった。
因みに和樹達との待ち合わせ場所、この連行していくのがハルヒの処女でいられる期間を大幅に短くしていたりする。
で、待ち合わせ場所。
ここも人目が付かず、滅多に生徒が来ないところであるが、猛獣対策である、彼の猛獣にはできるだけ関わりたくないのが凛達の総意のようで、かなりの警戒が窺える。
その待ち合わせ場所で殺気が漂っている、まるで修羅場のような。
つーか修羅場。
方や贄殿遮那を構えた凛、方に手に手甲を嵌めた沙弓、一方は顔を真っ赤にして殺す目で睨み、一方はからかうような笑みを浮かべ、それでも内なる怒りが窺える。
技量、気迫、双方レベルが高い、会話を聞けばカロリーの無駄遣いをしていることが判るだろう、特に彼女たちを良く知るものには。
「殺す、八つ裂きにして晒してくれる。誰が魔性の女だ、大体なんで杜崎がここにいる」
「貴女よ私の婚約者掻っ攫っていったのは、忘れたのこの泥棒猫、ここにいるのはその私の婚約者と昼食を摂る為、貴女は消えなさい。永遠に」
ほら下らない、因みにこの手の喧嘩数日に一度起こる(時たまエヴァが参戦することもあるが、今日は呆れたように和樹の傍らでトマトジュースを啜っていた)既に日常の一場面と化したような光景。
「それは杜崎が式森に選ばれなかっただけだろうが、私のせいにするな、それに今時婚約者など時代遅れも甚だしい。そんなものにしがみ付かなければならないとは哀れだな」
逆の立場なら最大限利用するくせに言うものだ。
「私に魅力がないとでも言うの、ブラも必要かどうかもわからない洗濯板が、どうせ神城が和樹を誑かしたんでしょうが。その貧相なナリでどうやったのかは知らないけど」
そこまで小さくはないBはある、沙弓から見れば似たようなものかもしれないが。
因みに駆け落ちは合意の上だ。
「フン私は誑かしていない、よって貴様はその洗濯板に負けたのだ。ホルスタイン女が」
「やる気、神城」
「最初から言っている、訂正しろ負け犬」
瞬間、殺気が膨らみ激突する、この二人の最近のコミュニケーションかもしれない、闘争は、どこかの誰かが言いました、戦いは至上のコミュニケーションであると。
この二人よく似ているし、本当は仲がいいし、両方とも奉仕系だし。
常人離れと言うか達人級の凛の剣と沙弓の拳、痴話喧嘩に使うと技も泣くだろうに。
体の像が霞むほどの速さの切り込みと、カウンターを狙う(リーチの長い剣に対する戦法は基本的には後手、どうしても先手は取りづらい)沙弓のフットワーク。
因みに魔道具の召喚(クトゥグア、イタクァなど)及び使用、魔法の使用は交戦規定により禁止、只単に収拾がつかなくなるからであるが。
それを観戦する、和樹とエヴァと茶々丸、それに涼宮ハルヒ。
それはもう満面の笑みで、美少女と美女(沙弓にはその形容が相応しいだろう)の戦いを眺めている、因みに今まで口出ししていないのは、この二人の舌戦を愉快そうに聞いてニヤついていたからである。
時々歓声とか、感嘆の声を上げながら、目の前の人外魔境に目を輝かせる、この光景に対してこの反応は涼宮ハルヒならでは、どうやら、和樹達の日常は十分に彼女の興味対象のようだ。
「いけ、そこだ」とか声を出しているので、もしかしたら格闘中継の観戦のノリかもしれない。
そんなハルヒに。
「えっと、ハルヒちゃんだっけ、この二人長いから、一緒にお昼食べない」
声を掛ける式森和樹、どうやら和樹は何時もの事と、興味はないようだ。
「あに?」
そんな和樹の申し出に今和樹の存在に気付きましたと言う風にきょとんとした顔で振り返る、こういう顔は素直で邪気がないので本当に美少女と言う形容が相応しい可愛らしさがあるが。
微妙にこの瞬間和樹の食指が動いたかもしれない、勿論将来的(かなり近い将来)喰われる予定ではある、ハルヒは口さえ出なければ夕菜を上回る美少女なのだから。
無論口を出してもキシャ―を下回ることは決してないが。
「いや、お昼食べないって」
「あたしに、悪いわね、どうしよっか」
どうやら、自分では持ってきていないようだ、最初からご馳走になる気か。
それでも名残惜しそうに凛達のじゃれ合い(和樹主観)と和樹達をみて、なにやら考えにふけり、すぐさまニヤリと唇だけで笑ってから。
「いいわよ、ご馳走になるわ、だったらさっさと行きましょう、それでお昼何」
あつかましいと言うか何と言うか、ハルヒらしくはあるが。
和樹は苦笑しつつサンドイッチと答えていた。
因みにハルヒの考えは。
午前中そのバイタリティで情報収集を行い勿論式森和樹やB組といったような葵学園生なら誰でも知っているが、外から来た人間には非常識の塊、奇異に移る事柄の情報は既に収集している、強引に近くの席の女子生徒に聞き出したのだが。
よって勿論式森和樹の噂、コイツの噂は特に男子からは好意的ではないのだが耳に入っている、曰く、鬼畜、男の敵、人類に正面から喧嘩を売る畜生、B組の癌細胞、葵学園最大の独裁者等、様々、殆どが嫉妬なのだが。
学園内の美少女、美女の独占者として。
そこまで言われる人間には当然のように興味がわいたのだろう、と言うかわかない理由がない、涼宮ハルヒがネタにするには十分な器である、式森和樹。
自分から蜘蛛の巣に嵌る様にハルヒは和樹のほうを選択したのだ、勿論危ないのは貞操。
で、屋根に向かおうと、凛達を放っておいてその場を離れ、目的地に向かおうとすると。
和樹の顔が引き攣った、エヴァも(以前対決しました、エヴァが本気になって辛勝)不快そうに顔をゆがめ、そんな二人の様子にハルヒが。
「どしたの」
と疑問の声を上げるが、どうやらハルヒにはこの二人が嫌そうな顔をしている原因は見えていないようだ、確かにその元凶とは距離が離れている。
「どうやら見つかったな、坊や」
「みたいだね、エヴァ姉さん」
そう目の前といっても彼方前方から猛牛のように突進してくる少女の姿、本名宮間夕菜、和樹曰く猛獣、通り名デビルキシャーが。
ハルヒが彼女を一番に目をつけ関わらなかったのが不思議だ、ハルヒなりの生存本能だろうか。
「和樹さん、何処行ってたんですか、私と今日こそお昼食べようっていっておいたじゃないですか!!!!」
かなり離れて全力疾走している筈なのに、よくもまぁこんな大声が出せるものだ。
声帯の出来が違うのだろうか。
和樹はポツリと「了承した覚えはないんだけどなぁ」と、疲れた声で言っていた。
「何あれ」
既にあれかハルヒ、和樹の袖を引いて尋ねるが和樹が「猛獣」と答えるより早く。
「そこの女、誰の許可を得て和樹さんに触れているんです、離れなさい」
どうやらハルヒが和樹の近くにいることが気に喰わないらしい、遠くからでもよく分かる、何故かよく分かる眼光で睨み据えて凄まじい怒声と、嫉妬心と言うかなんかS2機関のようなエネルギー源から更なる加速を得て突進してくるデビルキシャ―、既に人間を捨てているという話もあるが。
その怒声にカチンときたのかハルヒが怒鳴り返す、特に、彼女は自分の意思が蔑ろにされることに過敏に反応する。
勿論、言い聞かせればその矛は収めるので破天荒ながら常識てきでもある。
「私が何しようと私の勝手じゃない、なんでアンタの許可得ないといえないのよ、馬鹿じゃないのアンタ」
だが、その反論が拙かった。
「そうですか貴女も和樹さんに群がる毒婦ですか、いいでしょう蒸発しなさい」
で、何でいきなり自分の体より大きい火球を投げつけるかね、いい加減近距離に近づいてきているし、本気で蒸発させる気か、猛獣さん。
「キャアアアアアアアアアッ!!!!」
幾らなんでも、ハルヒでもその攻撃にはビビリ悲鳴を上げる(ハルヒは根本的なところでは常識人、というか平凡な日常が退屈すぎる彼女は頭では自分の理想がありえないと理解しているらしいが、この学校ではその理想が適いそうな気配がする)、幾らなんでも上位の破壊精霊魔法など自分に向けられたことなどあるまい、悲鳴もいた仕方なかろう。
そのとき和樹が。
「エヴァ姉さんよろしく」
「ああ、坊や、まかせろ」
「きゃっ」
近くにいたハルヒを抱かかえ、逃げに走った、因みにお姫様抱っこでダッシュ、隣に茶々丸が付き従っているが。
エヴァが炎に立ち向かい、瞬間爆音が轟き、炎が爆ぜ、和樹達の姿を隠す。
視界が晴れたときにはデビルキシャーの視界にエヴァは勿論、和樹達の姿は既に無かった。
因みにこれはエヴァが意図的に火球を爆ぜさせ、自分たちの姿を隠してから、和樹が窓の外に飛び、茶々丸により予定通り屋上へ向かいエヴァもそのまま窓の外へ、現在は屋上についている頃だろう。
キシャーは和樹の姿を見失って地団駄を踏んでいるだろうが。
本日は彼女これで退場。
で、今なおお姫様抱っこで抱えられたハルヒ、微妙に頬が赤い。
頬を染めた顔が、生来の意志の強そうな顔と相まって殺人級に可愛らしい、しかもお姫様抱っこで顔は間近、良く和樹君がハルヒの唇を奪わなかったと感心できるレベル。
時たま忘れがちになるが涼宮ハルヒは美少女である、世間的にかなりズレた。
因みにマトモな恋愛の経験値は皆無と思われる。
「いつまでそうしている、さっさと降ろせ坊や」
エヴァが微妙に拗ねたような感じで、自分が撒いてきたのに微妙にいい雰囲気な自分の男に対して抱っこを止めるように忠告する。
忠告を無視すれば怒りのエヴァとなるだろう、それはそれで恐ろしい。
その頬を染めたハルヒが未だ抱っこされているのに気付いて、恥ずかしそうに更に頬を染めて。
「えっと、離してくんない」
それは名残惜しそうに和樹の腕から降りたハルヒ。
その様子はこいつは涼宮ハルヒかと言いたいくらいに可愛らしい、なんか普通のような女の子の反応なのだから。
その後は、茶々丸お手製の特製サンドイッチを昼食に仲良く食べていました、ハルヒが微妙に恥ずかしそうにチラチラ和樹のほうを見ていたりするが。
どうやら自分から和樹のご馳走になるときを望むのも近いかもしれない
食後、暫くしてから凛がボロボロの様相でやって来て、何かを達成した表情で。
本人曰く、沙弓には引導を渡してきたらしい、凛はハルヒの前だと言うのに和樹に甘えつつ遅くなった昼食を摂っていたりする。
因みに沙弓はKOされ、現在、マッドのお部屋こと保健室のベッドの上である、二人の闘争はいつもどちらかがそこの世話になる。
それを羨ましそうに眺めるエヴァとハルヒ。
「いつも、あんなんなの」
「忌々しいことに、そうだ、私の坊やなのに」
双方ともに微妙に拗ねている、駄目だハルヒもう逃げ出せんかもしれない。
「なんかムカつくわね」
「そうだな、気が合うじゃないか」
微妙に怖い笑みを浮かべている二人だった。
大丈夫ハルヒ、すぐに君は和樹に美味しく食べられる。
それはもう上から下まで自分の知らない快楽を植えつけられ、自分から腰を振って和樹を求めるぐらいまで調教もとい教育されるから。
で、数日後。
「凛ちゃん、お早う、昨夜もお盛んのようね、ちょっと羨ましいわ」
凛とほか二名の女の子が半裸で眠る昨夜の情事の残る寝室で、言ってのける。
朝一番にやって来た涼宮ハルヒ涼宮ハルヒの開口一番の台詞がこうだった、何故か嬉しそうにと言うか明確に頬を染めて、視線だけは同じく半裸で寝転がっている和樹を凝視しているのが丸判りなのだが。
因みにハルヒを家の中に上げたのは茶々丸だが。
涼宮ハルヒの転入から数日、凛の生活にはかなりの部分で涼宮ハルヒが関わってきている、と言うか同じクラスだし、ハルヒに付き合える人間は凛だけだったので周囲には仲良しコンビのように認知されていたが。
悪意的な見方をしたら持て余しそうなハルヒを凛にクラスが押し付けたと認識出来ない訳でもないが、大方のところはクラスメートの反応は、変わった人間同士が仲良くなったと言う認識でしかなかった。
まぁ、そんなわけで涼宮ハルヒは凛と共に行動するのが常となり。
それは即ち式森和樹の生活に関わるということと近い意味を持つ。
今現在何故か涼宮ハルヒは朝食を式森邸にて食しているので、どれだけ深く関わっているのか判ろうと言うものだ、因みに泊まったわけではなく、上記の通り朝から押しかけただけだが、平日の朝っぱらから押しかけ食事を所望するのはいい根性だ(勿論ハルヒも寮住まいだが)。
今にも「にゃはは」とでもご機嫌そうな笑いを浮かべそうなご機嫌なハルヒを見る目は8対。
この家の住人(現在住人と化しているものを含む)、式森和樹、神城凛、アル、エセル、エヴァ、茶々丸、何故かいる杜崎沙弓と松田和美。
現在7時34分、この時間に来ておいて朝食を頬張っているというのはいい度胸をしている、流石涼宮ハルヒということか。
「茶々丸ちゃん、コーヒーおかわり」
とか言って茶々丸におかわりを催促しているし。
因みに沙弓たちがいるのは。
昨夜は凛、沙弓のコンビに和美が参戦の4P、その証拠に昨夜頑張った三人はそれなりに満ち足りた表情で薄い和服を纏っている(昨夜のコスらしい、和服といっても殆どからだのラインが出る薄いもの、沙弓などかなり色っぽい)。
肌蹴た和服の美女って色っぽいと思う作者(爆
昨夜、それはもうかなりのものだったようだが、一夜明ければピンピンしている彼女たちの体力も相当なものだが、唯一一人和美は腰を痛そうに摩っているが表情は満足げで時折ボーっとしては恍惚とした顔をしている。
昨夜一番乱れたのは久方ぶりの松田和美、どちらかと言うと強気な彼女は毎回和樹をダウンさせようと積極的に口でアレを責めたり腰を使ったりしてあの手この手で努力するんだが、その健気な姿が和樹の嗜虐心を煽り、抜かず3連発をされた辺りで狂ったように感じまくり5発目でダウンさせられた。
勿論それで赦されるはずもなく凛と沙弓がダウンしてから更に数回付き合わされた和美。
意識の朦朧としている和美に和樹が後ろから攻め立てられ、最後には絶叫のような喘ぎ声を上げていたが和樹君赦してくれず、その絶叫さえ和樹の唇で塞がれ、美味しく貪られたのでした。
時たまニヘラって感じに和美が笑うのは昨夜の最後のキスを思い出しているからなのだろうか、一番嬲られて、昨日はやめてぇとかなきながら懇願していたにも拘らず一夜明けると至福の記憶になるようだ。
因みに前日にアル、エセル、エヴァのロリっ子三人と楽しんだので彼女たちはお休み。
エヴァは最近は吸血鬼の体力でかなり持つようになってきているが、どうも弟子ともども責めのようだ。
因みに流石に茶々丸には手を出していない和樹だった。
ついでに最近一対一で付き合うのは稀になっているようだ、正妻の特権で凛が数日に一度相手をするくらい(但し、凛が参加したとき朝襲われるのは凛だけなので和樹も凛を優先してはいるようだ)。
なんだかんだ言って和樹にとって一番愛しいのは凛であると言うことは不変のようだし。
閑話休題。
まぁ、ここ毎日のように毎朝ハルヒはやって来ては朝食を食べて、一緒に登校すると言うのが日課になりつつあるのだが。
さっきも。
「今日は凛ちゃんと沙弓さんと和美さんがお相手、毎日お盛んねー、私も混ぜて」
とか言っているので、しかも微妙に頬が赤い。
しかも目がマジっぽいし、最後の部分だけ冗談に聞こえない節がある、というか半ばマジだろう。
凛の観察と言うか式森ラヴァーズと一緒にいると面白いとか言う理由よりも、ハルヒの行動原理がその面白いことに直結しているのだ、最近は式森和樹に興味が移動しているようだが。
どうも初対面のお姫様抱っこでフラグが立ってしまったようだ。
ハルヒその容姿ゆえに告白してきた男こそ多数いたものの。
ドレも根性なしなのか、電話、メール、手紙が殆ど、面と向かって男に抱きしめられた経験ナッシング、ある意味、受けの素質が高いのかもしれない。
性格からは判りづらいが。
よって最近の行動には彼女の好奇心+乙女心とやらがプラスされているのでかなり行動に拍車が掛かっている。
セクハラ親父発言も増量気味だ。
凛にべったりなので自然に和樹の女性陣とも仲良くなっているし。
因みに凛はハルヒが和樹に好意を持っているのに気付いている、それが好意以上のことを望んでいることも。
伊達に浮気魔のような男に惚れ込んでいない、もともとは人間関係の機微には疎い彼女だったとしても、和樹と同棲まがいをつづけて一年半以上。
10人以上を和樹が女の子たちを落としているのを見ていれば学習すると言うものだ、わかりたくも無かっただろうが、因みに上達したのはお仕置きの技術も含む。
ハルヒの態度は判り易いし尚更だろう。
凛としてはまたかとでもいいたい気分ではある、どうして私の(ここ重要)式森にこうも女が群がってくるのか、とため息を吐きたいところだが、ハルヒが式森に惚れること自体には既に否は無い。
既に和樹に浮気は凛公認に近いのだから、今更一人二人増えたところでと言うのが本音かもしれないが。
どうせまた増えるのだろうし、恋愛の果ての愛憎もそれほど体験したいわけではない。
因みに凛は和樹に愛されている自信は誰よりも強いので、ある程度余裕のようなものがあるのかもしれないが、和樹も基本的には凛第一主義だし。
それでも凛も女の子、自分の男が他の女を抱いていると言うのは気分が良くは無いが、自分も人の男を掻っ攫った身だし。
最近では複数プレイもいいかなと思い始めている凛だったりする。
それに加えて、実際のところ凛としてもハルヒが気に入っていたりするのだ。
基本的に人付き合いの苦手な凛だし、昼休みなども和樹の近くにいるのであまり親しい友達と言うのがクラスにいなかった。
ハルヒはいい友達なのだ、それにはっきり物事を言うハルヒの性格が気に入っているというのもあるのだろうが、だから凛としてはハルヒが和樹とヤっても、和樹にお仕置き程度で済ませるつもりではあったりする。
それよりもハルヒが和樹の責めに耐えられるか心配な凛だったりする。
ここ最近で処女を捧げた玖里子は2日学校を休んだことであるし。
で、現在登校中。
美少女七人+幸せ者の大所帯、現在全力疾走中であった。
因みに逃げているのは真面目に相手するのも馬鹿らしいからである。
「何であの女、今日はマンションの前に待ち構えてんのよー!!!」
勿論デビルキシャーのことである。
どうやら、スキルに待ち伏せが追加されたようだ、傍迷惑な事に。
それはもうマンションの前でニコニコと笑いながら姿を見せて。
「おはよう御座います、和樹さん・・・・・・・・・・なんでこんな廃棄物さん達と一緒に出てくるんですか!!!!!」
満面の男に媚びる笑みから、悪魔の形相に。
といきなりキシャりやがったのだ、どうも最近魔王降臨が乱発している。
「キシャァァァァァァッ!!!!!」
現在、中級魔法を乱発しながら追撃をかましてくれてやがる。
しかも呪文詠唱なしの力尽くの強制召喚、精霊が泣いていることだろう。
その豪雨のような攻撃から逃げを打っているのだ。
みんなはしっこいし、防御魔法であっさり防いでいたが、ハルヒの分だけは凛が切り落としていた、因みにハルヒは特異体質で魔法が使えない、それでも魔法エリートの葵学園に入学できたのはそのハンデを拭っても余りある能力保有者だからである。
彼女自身はその能力を重宝しているわけではないが。
なお、現在葵学園の所在地などはるか前に通り抜けていたりする、今日は大幅な遅刻決定だろう、もしくは欠席。
今では逃げているのは凛とハルヒ、和樹のみ、他の面子は途中ではぐれてしまった、幸福なことに逃げ切ったらしい、エヴァと茶々丸は早々に空に逃げていたが。
しかし逃亡するにも体力は要るわけで、基本的に一般人にしては体力のあるほうのハルヒといえど体力化け物の凛と和樹、体力ならハルヒ以下の癖に暴走モードで無限の体力を保有しているキシャーに付き合って走れば、そう長距離持つわけが無い。
つーか、殆ど全力疾走に近いペースを数分間でも続けられた体力はかなりのもので、いい加減ハルヒがへばっていたがここまで付いて来たほうが賞賛に値するかもしれないが。
既に息もあがりかけているし、スピードが落ち始めた、キシャーに捕まれば・・・・・・・・、恐らく考えようの無い目に合わされる、彼女の様子では絶対に無事ではすまない。
その恐怖心が今のハルヒを走らせているのかもしれないが、人間出来ることと出来ないことが明確にあるもので、それを超えることは中々出来ない、まして人を踏み外してそうな悪魔の体力に匹敵するのはかなり無茶だ。
そんなハルヒを見かねて、和樹がハルヒに近づき抱き上げる。
前回もやったけどお姫様抱っこ。
「ちょ、ちょっと、いきなり」
ハルヒが真っ赤になって抗議するが、涼宮ハルヒ、君は何で自分から和樹の首に腕を回しているですか。
で、ハルヒを抱き上げたまま更にスピードを上げる、どうやら今までハルヒの為に手加減していたらしい。
隣でちょっと羨ましそうに凛が追走していた。
どうやら自分もして欲しいらしい(後日、誰もいないところでねだってやってもらっていたようだが、お礼としてかなり濃厚な口の奉仕をプレゼントしたらしいが)
因みに。
「キシャァァァァァァ、何やってるんですか、浮気者、女狐をはなしてください、私と言うものがありながら、こらー、離れろ」
更に威力の増した魔法を連発してくるが意に介さぬとばかりに和樹たちは全力で走って逃げた、暫くその追いかけっこは続いたが何とか逃げ切った模様。
で、逃げ切れた理由はというと、完全に繁華街のほうに逃げてきてしまっていたからだった。
入り組んだ道に高い建物が混在するところでは逃げ場が山ほどあった(素に建物などを全部吹き飛ばしそうな気もするが、現在キシャーは見当違いの方向に向けて叫びながら追撃中、恐らく間違いと気づいた時点で大暴れするだろうが、それは公権力にお任せしよう。公権力に対抗できるとも思えないが。彼女の実家(男性陣)が彼女を諌めるのを期待・・・・・・できないよなぁ)。
で、和樹たちはキシャ―をやり過ごすためにある建物に考えなしに飛び込んだ、何かそういう意図があったわけではない。
たまたま追いつかえれそうになって、身を隠した建物がある特定目的限定の利用者が入る施設だっただけである。
早く言うとラブ○。
ある男女間の行為をするための特殊な施設である。
因みに意外なことにこのメンバー誰もこの施設の利用者はいなかった。
処女のハルヒは勿論のこと。
和樹との営みは、全てが和樹のマンションで済ましている凛、キスぐらいは学校でもやるが(時たま校内でスルこともなきにしもあらず)、この手の施設利用は無い。
和樹は他の女性と入っていそうな気もするが、無い。
構内の女生徒とは学校内や自宅、紫乃は兄をたたき出して保健室、かおり、やっぱり保健医を叩き出して保健室、ライカ、選択授業の音楽教師は個室があるので個室に引っ張り込んで個室でとそれぞれの場所でやっているので、施設利用の経験無し。
一部校内のほうが燃えるとかのたまう女性もいたが。
涼とか、ライカとか。
因みに瑠璃は和樹を半ば拉致って、自宅で情欲にふけるのが殆どだ(もしくは和樹の自宅)。
で、つまりは最初この建物が何の施設か理解できないまま入り込み、暫くは全く理解できなかったのだ。
で、何事にも好奇心旺盛なハルヒはその手の知識も雑誌かなんかで知りえていたらしい。
暫くして自分の知識と該当したのか。
ボフッ。
完全に真っ赤にあがっていた、情事の後を眺めても多少頬を赤らめる程度のハルヒがである。
やはり自分がその対象と認識できるような状態は違うのかもしれない。
しかしそれでもこの娘涼宮ハルヒなのである。
手にしたチャンスや、好奇心を満足させるイベントを見逃す性格ではない、最大限利用するタイプだ。
その手の事を気にすべき親友も目の前にいる。
そして彼女は言葉を紡いだ。
「ねぇ、ここ休憩所みたいなとこだから、ちょっと休まないどうせ今から学校行っても大遅刻よ、いっそのことサボりましょう」
いつもどおりアグレッシブに内なる欲望を見せずに言ったのは流石だろう。
でも、厳密には間違いじゃあないけどこの言い訳はどうだろうか。
内心、期待や不安などで心穏やかでないはずなのだ、贅沢は望んではいけないだろうが。
男でも女でも初めてはビッグイベントだろうから。
因みにハルヒは二人の様子がこの施設の意味を理解していないと見抜いていたのかもしれない。
で、率先して、部屋の選択をして鍵を手に突撃、妙に明るく元気なのがこの場にそぐわない、因みにまだ平日の9時過ぎとあって施設内に人影が無かったので、制服姿で女二人を連れ立っている和樹たちに変な視線を向けるものはいなかった。
まぁ、制服でも入れるもんらしいですが(実態は知らん)。
入室。
あからさまな部屋ではなく落ち着いたキングサイズのベッドに、大きなテレビ、ゆったりした調度品、シャワールームもガラスで仕切られているんではなく、ちょっと大きなビジネスホテルのような部屋だった。
「へぇ~、いい部屋ジャン、ほら入った入った」
因みに顔は真っ赤で叫んでいる腕を盛大に振って入室を促している、かなり恥ずかしいのだろう。
で、ドアを閉めたとき。
絶対に自分で閉めたくせにハルヒの体は大きく跳ねた、やはり口調とは違いかなり緊張しているのだろう。
しないほうが化け物かもしれないが。
で、思い思いのところに腰掛け、ハルヒが冷蔵庫から持ってきた飲み物でのどを潤しつつ。
「ねえ、和樹君、私を抱いてくんない、ほら、こんな美少女だし、いいでしょ」
いきなりそんなことを言い放った、前振りなしで唐突こそが涼宮ハルヒの専売特許とはいえ、勿論凛と和樹、今しがた飲んでいた飲料を逆流、口から吹き出していた。
いきなりそんなこと言われたら誰だって驚くだろう。
いきなり知り合いの女子に抱いてなんていわれたら引く、絶対に引く。
ラッキーとかその他、都合のいい考えが浮かぶ前に引く。
と言うか冗談にしか聞こえないところだが、この少女が冗談の類を言わないのは数日の付き合いから判っている。
破天荒なことを口走るが、彼女は全部大マジなのだ、全てが本気、だから洒落にならないんだが。
よって今回も本気だろう。
「ほら、どうすんの、抱くの、抱かないの、女に恥じかかせる気」
と言って詰問調で詰め寄る、顔を真っ赤にして微妙に唇を震わせて。
が、そのまま凛に向き直り、真剣な口調で。
「凛ちゃん、いい、彼氏とヤッちゃって」
本当に申し訳なさそうな声で。
どうやら親友の最愛の人(浮気魔ではあるが)、に惚れたのは罪悪感があるのだろう、複数人を愛している和樹だが、凛にとってはどんな気持ちなのか。
因みにその手の事に気を配る相手は今までいなかったっぽい。
和樹の浮気相手は最初から奪い合いが多かったからなぁ。
どうもハルヒこの世界では常識人の部類に入るのだろう、元々根源的な倫理観は真っ当な娘さんだし。
凛は軽く頷き、許可の意思を示した、因みに和樹に選択権は無い。
女の子が恥を忍んでああいう発言をした以上、据え膳食わないのは犯罪級である。
ここからは音声なしでお送りします(15禁程度ですが)。
そのままハルヒが和樹に抱きつき、唇を合わす。
ハルヒはぎこちない動きだが、和樹の手管に体を弛緩させ、すぐに自分から求めるように唇を合わせ。
唇を合わせたままハルヒの体を和樹の手が愛撫し、未だ男に触れることを赦さなかった柔肌が和樹の手に反応する。
女としての部分だけを露出し、そのまま和樹と参加した凛の舌の愛撫を受けるハルヒ、その喉から小さな声が漏れる。
その後はもう。
二人掛りで攻め立てられ、ハルヒが涙目になっていくところで和樹を受け入れる、女としての準備が整い。
僅かに浮かぶ不安と怯えの色が和樹の嗜虐心を高めるがバージン相手にはそれを押さえているのかゆっくりと優しくハルヒを扱い。
苦痛に歪むハルヒの口や頬に舌を這わせ気を紛らわせる。
凛も乳房に舌を這わせ快楽を増幅させ。
その後、ハルヒは和樹のものを中に放たれた。
その後は和樹は凛ともいたした訳で、ハルヒは先程のお返しとばかりに凛を責め立てたり。
和樹の手淫等で何回かいかされ、最後には自分から和樹の体に舌を這わせ、和樹のモノを口内に納めていた。
どうやら初日に和樹のモノを上と下で味わったようだ。
行為の終わったハルヒはと言うと。
ご機嫌で凛に抱きついていた。
二人共局部だけを晒した半裸なのでレズに見えないことも無いが、美少女二人がやると本当に艶かしい。
「う~ん、ちょっと痛かったわね、でもちょっと気持ちよかったし、最後はいっちゃたしね、凛ちゃん、アリガト」
和樹に聞こえないくらいの小声で凛に礼を言っていた。
その後仲良く二人で入浴しているところに和樹乱入、そのあと一人一回ずつ浴場で和樹に奉仕プレイをいたしましたとさ、因みにハルヒがいきなり徹底的にやられなかったのは凛が監視していたからだったりする。
後書き。
さて、これでこのシリーズの改訂も終わりまして、次からは半分は改訂+になりますが殆ど書き直しを検討していますので、実質改訂は終わります。
次で和樹のマジの妹、式森可奈子が出てきますが、これはラブひなの可奈子です。
というか次はラブひなキャラが大暴れ、もしかしたら登場キャラが増えているかもしれません(考えているのは動物キャラですけどね。あとチャチャゼロとか)。
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