朝から+登校+嫉妬+召喚+破壊

 

 

 

 

 

 

沈黙が支配する食卓に付く10人の男女、内訳は男一女九という比率。

 

朝から殺気立っていたとか、瘴気が蔓延しているとか、およそ食欲の増進には役に立たないであろう気配をぷんぷん撒き散らしている、取り分け数名によって。

 

なんとも胃に悪い爽やかな朝食風景である、因みに、あまりの気配に現実逃避をかまして食事を取ってブツブツと呟いている人間、唯一の男性式森和樹、この場合彼は蚊帳の外であるからこのまま現実逃避をかましてくれていても一向に構わない。

 

この場で何と言うか話の中心にすえられるのは瘴気の向けられる対象者二名。

 

瘴気の発生源四名。

 

傍観者、つまり我関せずと食事を取っているもの3名。

 

上から、神城凛、杜崎沙弓。

 

松田和美、高崎涼、ライカ・クルセイド、覇道瑠璃。

 

エセルドレーダ、アル・アジフ、風椿玖里子。

 

原因。

 

習慣で睡眠時間の短い凛がこの日一番に目覚め、寝ぼけていたのか周りの惨状、半裸、全裸の女性達が辺りに転がる状況の中、和樹に圧し掛かり「してくれ」と要求。

 

因みに半裸で和樹の胸を舐め上げていた、凛は凛で淫乱になっているのかもしれない、少なくとも対和樹に関してはそれなりの手管を持つ(和樹以外に経験もないし、これからも持つ心算など毛頭無いのだが)女性となっているだろう。

 

勿論和樹君ビーストモードで凛を前日同様朝から交わり始めるのだが、凛ちゃん昨日君は朝からスルのは控えてくれとか言ってなかったかい、自分から誘っておいてそれは無いと思うが。

 

その気配で目を覚ました沙弓がやはり寝惚けていたのか「私も」と言って凛と繋がっている和樹にキス、そのまま3P突入、因みに他の女の子たちは昨夜の和樹の責めでちょっとやそっとでは目覚めない状態。

 

朝からそれなりに濃厚なプレイを三人で楽しみつつ、邪魔されずにラストまで、そのとき二人揃ってあげた嬌声で他の女の子たちが目覚め。

 

現在に至る。

 

 

 

 

 

「朝からお盛んね、沙弓」

 

「そう、目覚まし代わりにあんたのあえぎ声で目覚めたわ」

 

刺すような目で睨みつける和美と涼、流石に縮こまって顔を背ける沙弓。

 

自分が正式な婚約者だという主張は譲るつもりは欠片も無いが、今朝のことは周りを考えると開き直りの仕様も無いほどのこと、甘んじて非難を受け続けるしかない。

 

「神城さん、どうでした、式森さんとの朝の交わり」

 

笑顔で凛を睨みつける瑠璃、目は全く笑っていないが、こちらも目を背ける凛。

 

反論する言葉もない、しっかり自分から求めた記憶が残っているのだから罰の悪さは沙弓以上。

 

で、唯一和樹を非難しているのは、勿論二人も避難してはいるのだから。

 

「和樹ちゃん、何でお姉さんじゃないの?朝からこの巨乳をいいように出来たのに。おかしいです和樹ちゃん鬼畜の変態さんじゃなかったのですか、私の認識に間違いが。いいえ、和樹ちゃんなら私が寝ているうちに、上に載って、胸を鷲摑みにしてナニを挟み込んでいいように弄くる筈なのに、そして朝一番の白い液体を胸と顔に一杯掛けられるの。そしてそれを舐めとるように強要され・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 (都合のいい妄想が展開されております)・・・・・・・・・・・・そして朝からライカの奥に和樹ちゃんが。ということをするに違いない筈なのに。お姉さん楽しみにしていたんですよ」

 

不当に和樹の人格が鬼畜方面に加速されている、というか望んでたんか、あんた。

 

この妄想癖のインモラル、不道徳女教師。

 

この人は放っておこう、この人が放っているのは瘴気じゃなくて多分ピンク色のオーラだろうから。

 

 

 

 

 

「ねえ、あんたら朝からやってんの」

 

傍観者となっている玖里子のつっこみ、微妙に式森家の性生活に興味があるようだ、まぁ自分がもう既にそこに組み込まれている自覚は余り無さそうだ。

 

少なくとも和樹に手を出された時点で式森ラヴァーズの一員である、本人がその関係を望んでいるから問題は無いが、関係を持った時点で強制参入だ。

 

「大体毎朝やっておるよ、妾はさほどでは無いが、コヤツとマスターはしておるぞ」

 

モフモフと朝食を食べているアルが玖里子の質問に答える、なんでもないというように、つまりは日常なのだろう、朝からするのが。

 

「マスター、色欲の塊ですから」

 

否定はしないけどね、エセルもう少しソフトに、ソフトに言っても伝わる内容は同じだろうけどね。

 

まぁ、そんなこんなで重苦しい朝食の席は終わったわけだが、終わったからといって凛と沙弓の朝からおっぱじめた事実が消えるわけでもないが。

 

 

 

 

 

で、高校生と高校の教員であるからして、平日は学校という教育機関に通わなければならないのが世間一般の認識であり、和樹たちもそれに準じている。

 

只朝から、美女7人侍らせて登校する男子高校生って居るんだろうか、しかも其の7人全てと性交渉の経験を持ち、関係を破綻せずに付き合っている一種奇跡のような男が。

 

しかも性交渉を持ち現在も関係を持続させているのが7人どころか軽く倍にいきそうな高校生って、しかも全員に愛されている。

 

只、世間が其の傍目からみた幸せ者を許すか、答えは否、それはもう、刺すような視線があちこちから飛んできていた、主に男性から。

 

ただ、端的に突っ込むとその刺すような視線を向けている男性が今の和樹の状況を体験することがわかっていて望むかどうかは微妙なところである、もしかしたら労りの目を向けてくれるものも居るかもしれない。

 

少なくとも事実を認識したらそれほど羨ましいとはいえない空間だろうが、朝食の席の続行で笑顔の中の怒りという結界のようなものが和樹、凛、沙弓を覆い尽くしている今現在は。

 

並の神経の男なら、1分で逃げ出しそうなくらい、ギスギスした雰囲気だ。

 

「ねぇ、沙弓、やっぱり不公平だと思うの。だから罰として放課後体育倉庫に来ないかしら新しい快楽を教えこんであげるから。私も久しぶりの女の子だけど気持ち良くしてあげる」

 

涼、何をする気だ。

 

「神城もいいのよ。貴女、小さくて食べがいがありそうだから。貴女も罰を受けないのも変な話しだしね。」

 

だから何を。

 

「良いわね、私は参加しないけど。涼、名案だわ、後気持ちよくなれる依存性は無いいいお薬があるの、紅尉先生謹製の。涼とのことは最初は辛いかもしれないし、私は体験したくないけどそのお薬があれば、辛さなんて無くなっていい所に連れて行ってくれるはずよ」

 

和美、何で背中に暗黒を纏って手に妙な形容のし難い色をした塗り薬をもっているんですか、そんなもん使ったら人生壊れますよ、大体ドコに塗る薬、それ。

 

「そう、女同士でも燃え上がれるはずよ」

 

鬼ですか、あんたは。

 

「良いですわね高崎さん。郊外のホテルに3日ほど部屋をお取りしましょうか、費用は持ちますので、道具でも何でも」

 

姫さん、あんたまで、というか道具って何。

 

ライカさんは削除、いい加減ヤバイ、掲載できないような内容を口走っている。

 

和樹君はあまりの内容に意識が飛び掛っているようだが、主に原因はライカ何故か奴隷とか、鞭とか、ピーとか不穏な単語が出捲くっていたから。

 

ついでに和樹にはそこまでハードな趣味は無い。

 

で、とてつもないことを周囲に展開されている当事者二名は、仲が悪いはずなのに、互いに互いを見、震えていた。

 

「レズは嫌、レズは嫌、レズは嫌、レズは嫌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

沙弓嬢既に半泣き、普段クールな彼女が子犬のように震えるさまはまた別の欲望を掻き立てるかもしれないが、事実涼は美味しそうに沙弓を眺めていたし。

 

「逃げねば、逃げねば、逃げねば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

凛ちゃんも同様の状態に追い込まれているようだ。

 

只ぶつぶつ呟いて“贄殿遮那”を握り締めるので、こっちは少々怖い、刃物の演出効果かもしれないが。

 

本気でこの二人は涼主催の折檻を心底恐れているようだ。

 

まぁ、幾らなんでもマジで涼達はやる気は無いんだが、脅迫は抜け駆けした輩への罰である、涼は半分本気のようだが、多分、核心は無いが、恐らく半分程度。

 

何か好物を前にした獣のように唇に舌を這わせていたがそれでも本気ではないだろう、だって作者百合は書けないし。

 

この精神的責め苦は葵学園に到着するまで続いたという。

 

 

 

 

 

で、到着したらしたで、2B組教室、学園内で癌細胞、負の欲望の吹き溜まり、悪徳の集積場などと呼ばれるクラスである、葵学園特別監房室、もしくは網走刑務所葵学園支部。

 

今朝の登校風景に文句、嫉妬を抱かない人間がいるか、言う必要ないわな。

 

教室に入ってきた、和樹、沙弓、涼、和美、一瞬で、殺意という視線が向けられた。

 

男子は和樹に。

 

女子は、沙弓達に。

 

男どもは、女を複数得るような人類の敵に。

 

女子達は自分の獲物を奪った女狐達に、つまり和樹を狙う女の子は他にも多数いるということになるのだが、このクラスで和樹が現在において手を出しているのはつれている三人だけ、それを見せ付けるような女三人に対する嫉妬の炎。

 

「この人類の敵に鉄槌を、B組協定の違反者に然るべき制裁をこれは神の意思、天誅である」

 

「神城だけならいざ知らず、風椿先輩に覇道先輩だと日本を支配する気か」

 

「この独裁者め」

 

「人でなし」

 

言葉と共に飛ばされる嫉妬、怒り、憎しみ、欲望、その他諸々の負の情念、物質化しそうなほどの感情の渦を和樹に叩き付ける男子、負の情念に正直な奴等である嫌になるくらいに、もう少しまともな方向性を持ってその情念をまわせないものだろうか。

 

回せないのだろう。

 

「沙弓、和樹君をどうしたの」

 

「和美、裏切ったの」

 

「涼お姉さま、私は」

 

一つ不穏なものが混じっているが、それはほうっといて、所詮個人の嗜好だ。

 

意思を統一すると、いい目見てるクラスメートが憎い、妬ましい、見事に一致した感情が渦巻いている、女子のほうが意思統一はされているような感はあるが。

 

男子のほうは色々まじりっけが多い気がする。

 

所々で,手に魔力をためる者。

 

藁人形片手に、壁に五寸釘を打ち付けるもの、逆十字を握り締め、恐らく常人では理解し得ない神に祈るもの、妙な笑いを浮かべて、恐らくでっち上げであろう、新聞記事を書き連ねるもの、因みにこの連中は全員女子、男子は直接的な威力行使に入るのが全員である。

 

因みにこのクラスは学園でも随一の魔法エリート達で放たれる魔法は十分に殺人可能な代物なのだろうがその辺はまったく気にしていないようだ、この犯罪者どもは。

 

 

 

詳細を書くのは面倒臭いので割愛するが、襲ってきたクラスの大半、主に男子は和樹、沙弓の手により地べたに這い蹲り、なお容赦という言葉はまるで無かったらしい。

 

まぁ、凛との関係がバレたときも沙弓との関係がバレた時も同様に襲い掛かってきて同様に伸された連中だ、一日マッドの保健室を体験したら帰ってくるだろう。

 

帰ってきた時彼らが以前と同じ身体を保有している保障は無いが。

 

女子の半数以上は「襲うわよ」と言う涼の一言と、残りは「逆らうの」という和美の一言で沈黙した、因みに涼に喰われているのは少ないが、恐ろしさを知っている人間はいないはずが無い。

 

まだ男も知らない女子にとってアブノーマルな快楽に強制的に目覚めさせられるのはごめん被りたい所だろう、彼女たちだって女の子なのだったら恐ろしい限りの脅迫だ。

 

 

 

 

 

で、朝のホームルーム、別名、本日限定サバトの時間、魔王降臨の儀式開催

 

主催者、デビルキシャー。

降臨者、デビルキシャー。

 

立会人。

 

担任伊庭かおり、副担任ライカ・クルセイド、何で教師やってんだろうという不真面目、色ボケの不良女教師コンビ、だが非常識にて破天荒なこの二人、この暗黒の儀式のような朝の一場面には相応しき人物かもしれない。

 

彼女たちに連れられて入室してくる転校生と称する、昨日和樹邸を来襲した和樹にとって名無しの痛い人、宮間夕菜、もしくは頭が自分の価値観と完全に逸脱している人。

 

和樹の顔を見た瞬間和樹ににこやかな笑顔で手を振ってくるが和樹の顔が引き攣りまくっている、まぁ、痛い人に仲良くされて、しかも話が通じないタイプに友好的にされても対処に困るだけだ。

 

未だ気を失って、そこらに転がっている男子生徒が騒ぎ出さないのが幸いだが。

 

で、開口一番。

 

「宮間・・・・・式森夕菜です、和樹さんの妻ですのでよろしくお願いします」

 

はい、言っちゃいました、この痛い人。

 

「宮間、ふざけてないでちゃんと紹介しなさい」

 

一番に突っ込んだのは担任のかおり、何故かそこかしこに新しい生傷を作っている外見だけなら美人女教師、恐らく昨日の事で朝っぱらからライカと報復戦でもやらかしたのだろう、ライカも生傷作っているから。

 

愛しのマイブラザー(かなり遠い血縁関係、曾孫くらいにあたるが弟と本人は主張)にのっけから手を出そうとしているので、顔はかなり怖い。

 

そんなかおりの迫力は完全にブッチしてくれて、痛い発言を続ける夕菜。

 

「近い内にそうなるんですからいいじゃないですか、ね、和樹さん。昨日はどうしたんですか、どうも途中から記憶が、気が付いたら、何故か外にいましたし」

 

どうやら瑠璃に横合いからぶん殴られたことは覚えていないようだ、それ以前に昨日の記憶が曖昧なのか、それとも都合の悪い記憶を気絶中にオートデリートしてくれたのか、たぶん後者と思われる、かなり都合のよさそうなおつむを持っていそうだから。

 

笑顔で和樹に妄想を語る夕菜、一つ言うが和樹は夕菜のことをこれっぽっちも覚えていない、記憶にあるのは昨日の痛い人という記憶のみ、彼女が和樹に覚えていると確信している、勿論一方的な確信だが結婚の約束やら、雪を降らせた約束などは欠片も覚えてはいない、大体正味一時間にも満たない五歳の時の約束など覚えていたら化け物である。

 

そして、ここにそのような痛い戯言を許せない人間がいた、因みに彼女達も夕菜の存在は知っている、但しマンションの落下防止用ネットの上で下着をさらしている姿だけだが。

 

先ずはB組影の番長(最強は和樹だが)杜崎沙弓、一応は和樹の正当な婚約者、いやマジで。

 

「何言ってるの和樹は私の婚約者よ、寝言は寝て言いなさい」

 

「そうよ、私の愛人に手を出さないでくれる。なんとなく貴女は加えたくないし」

 

和美はどうやら愛人で手を打ったようだ、正面から争うリスクを考えたら賢明な判断かもしれないが。

 

しかも本能的に殆ど初対面の夕菜の人間性を看破しているのか加えるのも嫌がっている。

 

まぁ、向こうも愛人の一人として納まるなど・・・・・・・・・・・・・想像も出来ない。

 

「式森は私のものなんだ、よこから出てこないでもらえるかしら。只でさえ私は第四夫人なのこれ以上増えられるとね。今でさえわかっているだけで15人越えているのよ」

 

誰と、誰と、誰ですか。

 

「ふざけていると、お姉さん怒りますよ」

 

ライカ。

 

腰に手を回して、背中に装着している短剣を握っていることだろう。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

無言で懐に手を入れるかおり、但し標的は夕菜だけではないが、和樹に群がる女全てだ。

 

因みに懐から垣間見えるのはガンメタルの物騒なもの、因みに獲物の名前は“エボニー&アイボニー”、次点で狙いをつけようと考えているのは多分ライカ。

 

凛と魔道書コンビは諦めているし、沙弓は可哀想かなと思っていたりはするんだが、かおりは付き合い長いから。

 

 

 

 

 

この反撃に、キレタ。

 

結構簡単に切れるものかと思うが彼女に子と彼女の欲望を具現する行動において我慢は先ず考えられない、恐らく癇癪もち子供よりも短い導火線が一瞬にして無くなった。

 

デビルキシャー降臨の準備が整った。

 

「何言っているんです、和樹さんは私の旦那さんですよ、婚約者、愛人、第四夫人。寝言はそっちでしょう、私の和樹さんに手を出そうとする破廉恥な人は消しちゃいます、それに和樹さん、私の事わかりますよね、言ってあげてください、この妄想を語る女に、私のことを愛しているって。さぁ」

 

目が魔を湛えつつあるよ、この人、同意を求められても困るだろうが。

 

「えっと、おおむね事実かな。勿論君のほうじゃなくて沙弓達のほうが」

 

肯定する和樹、和樹のいいところ(?)、恋愛関係にいる人間の否定はしないということだったりする、浮気性だが一定のルールは持っている。

 

それが、浮気で済まず深い中になる原因でもあるのだが性分なのだから仕方あるまい、それにそのような男だったら凛もとうに捨てているだろう。

 

和樹の浮気性はそれはそれは酷いのだから、普通なら三行半を突きつけられても仕方ないくらいには。

 

「どういうことですか」

 

声に圧力を持ち始めた、気の弱い女子、比較的だが、の顔が微妙に怯えている、ここに入れるだけで度胸的には十分だろうが。

 

「いや、彼女たちの言うことに嘘は無いと」

 

因みに、このときかおりとライカが自分もと主張しようか悩んだのは余談。

 

悩む間なんて無かったけど。

 

夕菜の髪が持ち上がり、背中に憎悪を背負い。

 

「浮気ですか、和樹さん」

 

「まぁ、浮気といえば浮気だけど、何で君に言われないといけないの」

 

凛に迫られたり沙弓に迫られるのはどうやら正当だとは理解しているようだ。

 

「私は和樹さんの妻ですよ。妻がいるのに他の女がいるなんて。浮気じゃないですか浮気は人類最大の罪です、わかっているんですか」

 

だから何で君がその事を和樹を弾劾できるのだろう。

 

「凛によく言われるけど、大体なんで婚約した覚えはあるけど、結婚はないよ。まぁ事実上は凛とは結婚しているようなものだけど」

 

しつこいが、婚約者は沙弓、凛は駆け落ち相手、ついでに自覚あったの和樹。

 

「そうですか、そうですか。和樹さん判りました、判りました。なんて可哀想に。酷いですね人間とは思えません、そこの女、確か杜崎の長女でしたね。判ります怖かったでしょう、脅されていたんですね。あの武術一族の力で和樹さんを従わせるなんて、私との愛を否定させるなんて許されざる所業です、今消してあげますから。そして私と愛を育みましょう。それにそこの妄言を吐いている女達も、そうすれば私のことを愛してくれるはずです」

 

だから違うというに、既に降臨したかデビルキシャー。

 

妄言具合もここに極まれりだ。

 

そして彼女の中の正論に基づいたのだろうノーモーションで放たれる魔法、上位魔法イフリートの召喚、炎の渦が放たれる。

 

全く何の宣告も無く。

 

何の躊躇いも無く、人を灰に変える高等魔法。

 

因みに犯罪です、この魔法の使用自体が。

 

だが、炎は届かない。

 

只、消えた、その炎は炎が放たれる先から切り裂かれ。其の刃が触れる先から炎は消えていくイフリートが断末魔の声を上げ、本来の精霊の世界へと帰っていく。

 

それを成したのは和樹、瞳に五芒星を描く第一の魔眼“複写眼”を発動させ。

 

魔法を察知し解析、理解、其の対抗策として高速で術式を編み(魔法とは違う概念で成り立っている魔術によって)、術式により本来開くはずが無い別の座標への空間への穴を強引に通し和樹のもとに贄殿遮那を。

 

贄殿遮那、凛が常時携える概念武装、深き情念が打ち込まれた魔剣、其の魔剣により魔法を否定する、あらゆる特異の力を概念的に否定し断つ剣、贄殿遮那により特異そのものの精霊を一撃で否定する。

 

これに魔法の強弱は関係ない、魔法という概念を否定する、超常現象に含まれるすべてを否定する対魔法使い、魔術師に対する最強の概念武装、特にデビルキシャーのように打ち出すタイプの魔法使いは天敵となる武器、因みに相手が肉体強化系の場合は只の刀となってしまったりする。

 

贄殿遮那の持ち主は飽くまで凛なのだが、永遠の求道者、天目一個に打ち勝ち式森和樹もこの意思持つ概念武装の使用者としては認められている。

 

使用者である以上、呼べば来る、魔術師にとって最悪の魔剣は。

 

「何で、邪魔するんですか和樹さん、本当に浮気だったんですか、それならば許しませんよ、もう浮気なんて愚かなこと思わないくらいにお仕置きしてあげます。私のモノなんですから和樹さんは、これは愛です、だから大人しく喰らいなさい」

 

で、振りかぶって魔法をさらに放とうとするが、彼女の集める精霊が集まらない、言うことを聞かない、彼女の意識の支配下にならない。

 

精霊制御に干渉し切羽詰った声でかおりが叫ぶ

 

「宮間、何を考えてんのよ。犯罪だぞ、今のはS級攻性魔法だろうが」

 

「先生ですか、何で邪魔するんです、和樹さんの罪を私が浄化してあげるんですよ、どこが犯罪なんです」

 

ああ、言語が通じていない、勿論通念常識というものも彼女の中では特殊なのだろう、もしかしたらオリジナルの六法全書が掛けそうな勢いで書き換えられるだろう。

 

因みにかおりがやったのは夕菜と同じ精霊術師のライカとかおりに二人掛りで、精霊を奪った、正確には精霊に語りかけ、彼女のように怒りのままにかき集めるのではなく。

 

精霊に語りかけ嘆願する、支配するのでも、使うのでもなく、協力を願う、本来最上級の精霊術師が行う精霊との対話。

 

因みに、かおりが闇の精霊、ライカが光の精霊術士、使い手の少ない光と闇の四大精霊の上位に位置する高等精霊を使役する術士。

 

その高等精霊術師が力ずくではなく優しく願い、彼女の支配していた炎の精霊を奪い取る。

 

教師として私情抜きに止めに入ったようだ、幾らなんでもS級魔法は遮那でも余波まで消し去れない、余波だけで人死にが出る、魔法自体を否定しても魔法が既に起こした現象は否定できない、凄絶な炎は風を生みその熱が人間の肺を焼き人間等を蒸し殺す。

 

だが。

 

「邪魔しないでください」

 

あっさり奪い返される、夕菜は格下の四大精霊術士だというのに。

 

その反動で吹き飛ばされ、根こそぎ力を奪われて、ヴァンパイアである人間とは魔法に関して能力の桁が違うかおりでさえ。

 

そして再びS級を放とうと魔力を高めようと夕菜は手を振りかざす。

 

「式森!!

 

そのとき空間から現れたのは凛、そしてアル・アジフ。

 

遮那が召喚された時点で、魔法で転移して寮から(アルも朝には自宅に帰った)連れて来たのだろうアルを従えて、まぁ凛は夕菜が暴れている展開ではなく別を危惧してきたんだが、実際は先日の嫉妬王の暴走とは思っていなかっただろう大体何で普通に贄殿遮那を召喚する自体が起こると予想する。

 

だから慌ててやってきてエセルまで連れて来る余裕は無かったようだが。

 

でも、予想外だがヤバイと見て取ったのが。

 

「アル、頼む」

 

「応ッ!!!

 

そして凛が魔術師としての姿になる、魔道書と契約した魔術師の姿に、ボディラインのはっきり浮き出た肢体、銀色の髪、オッドアイ、本で形作られた翼、純白の肌、幼さを捨て去り妖艶とさえいえる戦装束を纏った戦闘体制、マギウスモード。

 

生身の人間相手にこの姿をとることは滅多に無い、しかも既にもう一つの凛の得意武器は召喚済み。

 

贄殿遮那が和樹の手元にあるのなら彼女が扱う武器はそちら。

 

「アトラック・ナチャ」

 

それでも人間相手と手加減したんだろう、いきなり放ったのは呪縛魔術、光り輝く蜘蛛の巣に捕らわれる夕菜、邪神の力による絶対捕縛術式。

 

 

 

 

 

アトラック・ナチャによる光の魔法陣により魔王化している夕菜の動きを拘束する。

 

マギウスと化した凛による邪神の拘束結界魔術、召喚されかけていた炎の上位精霊ごと動きを封じる、これを破ることは人間には不可能に近い、勿論人間が使役できる程度の精霊にも、大体において人間の枠を超えた敵を想定して編まれた術式人間に破られるほど情けないものではない。

 

拘束された夕菜は憎悪(既に嫉妬とは形容し難い)に染まった目で、突然の乱入者、凛を睨みつけ、彼女にとっての正当な叫びを上げる。

 

「誰ですか、貴女は、また和樹さんに近寄る毒婦ですね、この淫売!!和樹さんを穢す、不浄の化身ですね。この魔法陣を解きなさい、消滅させて差し上げます、和樹さんに近寄る女に吸わせる酸素は無いんです!!!!!!キシャアアア」

 

この叫びは凛には無視された、関わってもいいことなさそうだし、昨日で学習したのだろう、反論してもさらにわけのわからない妄言を返されるだけだと。

 

只昨日の時点と今現れたから、嫌でも関わらなければならないだろうが、関わらないと和樹のあらゆる意味でピンチになるし。

 

ついでに、少なくとも凛はあの時恋人と名言していたのだ、和樹も否定していない、そんな現実や記憶は彼女の精神衛生上ゴミ箱ポイッであろうが都合のいい頭もってそうだし、でも関わるのは既に凛は明言していることだ、もう凛は関わるしかないだろう。

 

その関わらなければ為らない相手は今現在は凛やかおり、沙弓等に殺意の視線を投げかけると共に拘束している術式を力任せに振り解こうとしているようだが。

 

 

 

 

 

しかし現在の教室内の男子生徒、和樹を残して気絶(夕菜がやったわけではないが)

 

女子もあまりの夕菜の瘴気に当てられ怯えるもの数名、引き攣った笑みを浮かべて現実逃避をしているもの数名、気絶している男子が幸せだろうなとすら思える。

 

まさに地獄絵図。

 

和樹関連の女子は吹き飛ばされて意識を失っているライカと一応ヴァンパイアの耐久力か、それとも夕菜の攻撃がかなり魔性に染まっていたからなのかは不明だがそれでも動けそうに無いかおりを保護していたりする。

 

流石に式森ラヴァーズいがみ合っていても見捨てるようなことはしないらしい、仲間意識というか連帯感のようなものはあるのだろう。

 

和樹が怒るというのもあるだろうが。

 

「式森、この女、えーと、昨日の誰だったか、まあいい、何があった」

 

どうやら危なそうだから取り合えずでアトラック・ナチャを掛けたようだ。

 

夕菜を見たから容赦の必要が無いと判断したのかどうかは知らないが、殺傷力が無いから別に良いが、いきなり高等魔術かましますか貴女は。

 

殺傷力があってもそれはそれで構わない気もするが。

 

凛は名前を聞いていないので思い出しようが無い、というかあまりにインパクトがきつかったから名前も知っているかと悩んだようだ、なんとなくそういうことは良くあると思う。

 

「いや、式森夕菜とか僕の妻とか主張して・・・・・かくかくしかじか・・・・・・・・・・」

 

前話を説明しています重複していますので割愛、妻の時点で手に持っていたバルザイの偃月刀をキツク握り締めていた、ムカつく事があるんだろう、色々と。

 

なお説明中、微妙に少しずつ夕菜の拘束術式が軋みを挙げていたりする。

 

だから人間ですか貴女は、アトラック・ナチャはそんなに易々と破られるものではないんですが。

 

そんなことには未だ気付かず。

 

「式森、本当にこの危ない人知らないのか」

 

「こんな人、知っていたら忘れないと思うんだけど」

 

さもありなん、忘れようが無いだろう、これ以上にない説得力、凄い説得力だ、恐らく彼女を知る誰もがその説明に納得するだろう。

 

因みに和樹君、恐らく雪イベントのことを言われても思い出しやしないだろう。

 

全身傷塗れになるようなエキセントリックな人生を歩んでいるし、女性関係は数知れず。

 

幼少期から困ったショタッ気のあるお姉様方から迫られるスリリングな生活である、10年以上前の瑣末ごとを覚えている余裕など無いのだよ。

 

10年以上前は魔王もまだ子悪魔程度だろうし(多分)、記憶に残るほどでもあるまい。

 

と言うか今の姿と、過去を連続して考えろというのは無理がある。

 

因みに、二人から完全にこんな人や危ない人という扱いを受けている、既に意識化にそのように認識されたんだろう。

 

余談だがクラス内どころか学校内において、宮間夕菜=清純美少女アイドルという認識ではなく、地獄により顕現した破壊の女神(破壊神シヴァあたり)とそれに順ずる認識をされ、恐怖と破壊の代名詞となる、一年生には、通ると暫く廊下の両脇に整列しヤクザ屋さんの如く統率された動きで道を開けられたとか開けられなかったとか。

 

まるでヤクザの姉さんのように。

 

 

 

 

 

因みに何気に大人しい外野陣は涼と和美は回復魔法でライカを癒し、聖属性の回復魔法を受け付けないかおりは苦肉の策として、沙弓の指をしゃぶっていた。

 

指先から血液を供給して貰って回復を試みているようだが、微妙に不満顔だ。

 

(非処女の血は美味しくないよぉ~)、とか不満を漏らしていたが。

 

かおりの好みは処女か、和樹であるらしい、普段は輸血パックで我慢しているらしいが、これは某保険医を通じて出来るだけお好みの年齢層の血を(処女の血は献血の可能年齢から見れば困難だろうが)仕入れているらしい。

 

今ここで処女の可能性の高そうな女生徒を襲うのも憚れるので沙弓の血で我慢している

 

沙弓としては我慢するぐらいなら飲むなといいたいところだ。

 

 

 

 

 

で、説明終了に近づいた辺りで、アルが異常を感知する、ついでに今現在は凛の肩に座っているミニマムサイズのマスコットモードだが。

 

いつも思うんだけどエセルもマギウスになるとこうなるんだろうか、ルルイエはどうだろう(機神飛翔のセラエノの精霊はそれなりに可愛らしかったが)。

 

「どうやら、拘束が解けそうだぞ。あれは本当に人類か精霊魔術程度で術式を破壊することなど不可能なのだが。かおりのような真祖が邪神と協調するか、死徒二十七祖でもなければ元人間であろうとも」

 

どこか呆れた調子である、今まで破られなかった訳でもないが、どれも常識はずれの化け物である、少なくとも人間というのには疑問が残る輩ばかり。

 

といった瞬間、夕菜を拘束していた光の魔法陣が消し飛んだ。

 

どうやら強引には外せないと理解したのか暫く力をためていて大人しかったらしい。

 

勿論力の源は、夕菜の主観から、自分の旦那様が馬の骨の泥棒猫と仲睦まじく談笑(会話)している光景を嫉妬エネルギーに変換したもの。

 

力尽くには違いないが既に化け物の所業だろう、しかも術式を破壊するだけではエネルギーが余りあるのか先程より禍々しいオーラが漂っている。

 

今では同じことで拘束しようとしても瞬時に吹き飛ばしてしまえるかもしれない。

 

既に化け物とかそういう域に達している、というか化け物そのもの、もしかしたら力を貯めていたのではなく、より欲望を実行するために進化したのかもしれない。

 

既に怪異扱いのデビルキシャー。

 

 

 

 

 

「よくもやってくれましたね、少し梃子摺っちゃいましたよ、この鬱陶しいのを退かすのに。和樹さんのお仕置きという神聖な行為を邪魔する泥棒猫さんには現世で生きることが苦痛で死を嘆願するまで苦しめてあげます、親切な私ですね。更生の機会を与えてあげようなんて思いつくんですから」

 

そんなことをのたまい、さらに魔力を高めている、しかもアトラック・ナチャが鬱陶しいという程度ですか。

 

「アル、あの人間なのか。あの人」

 

凛が少しびびったのか、肩に居る相棒に問う。

 

「多分、人間だと、おもわんでもないが?

 

どうやら確信がもてないようだ、証拠に疑問系である。

 

「式森、どうする」

 

隣で、やっぱり脂汗流している和樹、滅多にお目にかかれない魔神と対峙しているような瘴気を受けて、エセルのいない和樹は凛より引き攣った笑みで。

 

「複写眼があるのが疎ましい。あれは人間の魔力じゃない、というか逃げない?」

 

解析能力の高い魔眼故に、恐ろしいまでの魔力が理解できるらしい、しかも幾ら人間離れしているとはいえ人間だというのはわかる、知らないほうが幸せだろうけど。

 

人間よりも人間外だと考えたほうが精神衛生にはよさそうだし。

 

和樹の判断では現時点では遠慮なく力を振るって(つまり被害度外視)凛が戦えば何とかなると踏んでいるが、流石に洒落にならない。

 

逃げるという選択肢は却下、同じクラスなのでいつか顔を合わす近い内に。

 

「逃げれるのか」×2

 

先ず、それが無理か。

 

「何、コソコソ話しているんですか、和樹さんの耳が穢れます。ほらこれでも喰らいなさい」

 

やっぱり呪文詠唱無しの強制召喚、精霊も逆らわないんだろう恐ろしいから、無理矢理召喚されても忠実に凛に向かっていく。

 

これを再び遮那で和樹が切り払う。

 

「和樹さん、また邪魔するんですか!!!

 

さらに怒りのボルテージが上がっていく、底が無いのだろうか。

 

更に強大な火炎が強制召喚される、イフリートが夕菜を恐ろしげに従っているのが何故か垣間見えたり見えなかったり、只、凛と和樹、アルにはその幻視のイフリートの目じりに涙が浮かんでいるのを見たという。

 

哀れな炎の精霊、炎の魔人、たいそうな肩書きが小娘に使われる小間使い程度の扱いで召喚されている。

 

 

 

 

 

さらに力を貯める夕菜を見て何かを諦めたのか和樹が、手に持った遮那を床に突き立てる。

 

あっさりと深く刺さり、その後和樹が高速で空中に印を切る、因みに何かを諦めたのは余り使いたくないからである、主に痛いし、目立つ。

 

凛がその意図を察し。

 

二人共その長大な刀身に腕を這わせ血を滴らせる。

 

刀身に伝う血液。

 

「「我、式森、神城の血をもって、契約により召喚する、汝、永劫の求道者、天目一個、強者は汝が前に居る」」

 

一言一句違いなく唱えられるマントラ。

 

式神召喚呪文。

 

そして音も無く、何の気配もさせず幻のように現れる巨大な鎧武者、圧倒的威圧感を振りまき、それでいて魔性の気配は一片も無く、異常の気配を発さない。

 

恐ろしい存在感を放ちながら、以上は発さない矛盾存在の武者が贄殿遮那を引き抜き、構える、夕菜に向けて歩み。

 

武者の中には何も無く、あるのは戦いへの渇望。

 

対魔術師戦切り札、遮那を媒介とする式神“天目一個”召喚条件は契約者の血液と、天目一個が満足する敵、戦いに相応しい猛者が存在すること。

 

勿論、魔法などの力は全て無効、唯一の有効手段は物理攻撃というある意味魔術師にとっては反則以外の何者でもない能力をもつ。

 

召喚した理由は、魔法攻撃効かないから、夕菜の天敵と判断したからだ。

 

そして数が多ければ大規模な魔法は使う間が無い、正確には与えない。

 

音も無く気配も無く夕菜に迫る、それでいて威圧感満載であるからはっきりって外見的にも落ち武者のような天目一個は相当怖いのだが、幽霊の強化版のような存在なのだから。

 

「なんですか、この人形は」

 

人形といえるんだろうか、そう見えるなら凄い精神構造である。

 

「燃えなさい」

 

天目一個を炎が包むが、避けもせずそのまま突き進む、ゆっくりと、夕菜が訝しげにそれを見ると。

 

「生意気ですね、これならどうです」

 

氷、雷、風・・・・・・複数精霊同時召喚、それすらも意に介さず、剣の一振りで消え去った、天目一個に勝つには物理攻撃のみ、幾ら夕菜でも不可能。

 

剣の達人たる天目一個に肉弾戦で勝つのもまた不可能。

 

マジで魔法使いの天敵、超上級の召喚獣ならば強引になんとでもなるだろうが、それの強制召喚など出来るはずもなし、瞬時に出来る精霊魔術ではたとえ精霊王の召喚でさえも敵ではないのだ。

 

ある意味無敵キャラ天目一個。

 

「何で効かないんですか、消えなさいって言っているでしょう、生意気ですよ、骨董品の分際で」

 

骨董品って。

 

夕菜は迫り来る天目一個に滅茶苦茶に魔法を叩き込んでいるが爆風で多少揺らぐ程度で勝負になっていない。

 

そして正面に来たところで。

 

「アトラック・ナチャ」

「闇の抱擁」

「光の牢獄」

 

凛と復活したかおり、ライカの精霊魔術による拘束術式。

 

和樹は流石に殺す気は無いのか切り捨てる直前の天目一個を契約のもとに押し止め、沙弓は完全に拘束された夕菜の頭めがけて拳を叩きつけていた。

 

かなり私情の混じった一撃でいい音がした、それはもう。

 

それを喰らった夕菜はでかい瘤を作りあっさり気を失い、未だ夕菜のせいで狂っていた四大精霊が撒き散らしていた余波がなりを潜める、無理矢理従わせたから精霊が暴走していたのだ、これでクラスメートの特に男子があちこち焦げていたりする。

 

 

 

 

 

結果夕菜はそのまま数人がかりで封印、拘束、封魔が何十にも掛けられ、保健室に叩き込んだが、その日は保健室で夜を明かしたらしい。

 

 

 

 

追記、和樹に災いを与えたとして紫乃が夕菜に悪夢を見る呪いをか掛けたり掛けなかったり。

 


後書き、改訂第二、といっても第三弾と同時なので後書きはそちらに。ネクスト


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