修羅場+暴露+幼馴染

 

 

 

階下で響く若い女の怒声がこの日の九峪に朝を告げる目覚めの調べだった。

 

中々に愉快ではない目覚めの仕方ではあるが、それ以外では愉快で仕方が無い現状の男に対しては不満な目覚めがどうしたというものである、それ以外では一種の男の夢を実現した目覚め方だから、九峪は寝起きのボウッとする頭で周囲を見渡し、微妙に織部の尻や兎華乃の乳でだらしなく顔を歪ませている、それは男の子だから仕方が無いとしても現状には殺意がわいても仕方が無いだろう、一人の男として。

 

「あんっ」

 

胸の上に居た清瑞を九峪の動きで敏感な部分を刺激したのか、まだ寝ぼけている清瑞が軽いあえぎ声を上げる、その声は生々しく艶かしい。

 

やはりなかなかに幸せな現実を体験している男ではないだろうか、元神の遣い、九峪雅比古、現在妻二人、愛人七名の鬼畜王。

 

しかも九峪の特定部位は今の声の所為かそれとも若さかそれとも朝だからか、もしくは体に感じる乙女のやわ肉の影響かとっても元気、足には珠洲の秘部が密着しているし、腰には織部の乳、頬には兎華乃の乳房、胸には清瑞の体、反応しないのは無礼に当たるかもしれないが、ここでこの鬼畜王がその名の通り彼女達に淫欲のまま襲い掛かっても彼女達は彼女達で嬉しい悲鳴を上げえるだけかもしれないが、何気に女性陣も好き者なのだから。

 

まぁ、昨夜の四対一の戦いは女性側から申し込まれたようなものだったし、九峪の手が、正確には清瑞を抱きしめている腕の中にいる清瑞は今にも準備が完了しそうではある。

 

そんな朝からいたしそうな空気も階下から響いてくる争う物音で段々意識が覚醒してくる九峪、流石に何事かと意識を向け、凍りついた、ビシッと擬音まで立てて

 

どうも下からの怒声に聞き覚えがあるのか、というかありまくる、所々に亜衣の声やら伊万里の声が響くが、一番大きい怒声は九峪の良く知っている人物のもの、と言うか良く知りすぎている幼少より近くに住んでおり共に育ってきた仲。

 

世間一般で言えば幼馴染、飛ばされる前は一応付き合っていたんじゃないかなぁと曖昧ながら言えるような間柄の少女、姫島日魅子、それなりに可愛らしい少女ではあるが、中々に現在の九峪にとっては不味過ぎる相手である、いや相手が誰であれ不味いのはそれほど変わらないのかもしれないが。

 

どうも階下で争っているし、彼女をよく知る九峪荷は何で怒っているのかもよく判っている、判り過ぎるほどの、多分判らないほうが幸せなのだろうが判ってしまう。

 

彼女が切れて九峪を探してこの部屋に突撃してくるのも遠くあるまい、猶予はそうないだろう、真っ先に探されるのはこの部屋、彼女はここが九峪の自室だと知っているのだし、そして入られた瞬間には・・・・・・・・。

 

九峪が自分の目の前の光景を再び眺める、半裸の美少女、美女、全裸の美女、しかも完全に何かをしたあと満載、どこかのハーレムかと声高に主張している光景に加えて、部屋中に性交の際の男女の匂いが篭っている(特に半裸の美少女が拙い)、見られて誤魔化せたら全人類に対して詐欺が行えるだろう、しかもバレずに。

 

見られたら殺られる、九峪は本能的に悟った、まず間違いなく殺される、世間一般よりも嫉妬深い日魅子に見られれば、今日の朝食は食せまい、もしくは金輪際喉を食物が通過することはあるまい。

 

すなわち未来永劫食事が喉を通ることはあるまい、免れても最低でも重傷はだろうというそんな恐ろしい近未来を固まったまま思考を進めていく九峪、でもそんな思考も彼に許さないのか下からの怒声も更に大きなものになっている、大分猶予は短そうである。

 

で、意識が完全覚醒した九峪が顔に脂汗を張り付かせて飛び起き、脱ぎ散らかしていた寝巻きを纏いなおす、狼狽しているのか上手く着ていけないのが彼の焦りを表しているのかもしれない、つーか完全に焦っている。

 

そんな九峪に対して女の子達はというと、飛び起きた拍子に下半身に抱きついていた珠洲と織部、そして九峪の上に居た清瑞が動かされ、彼女たちも目を覚ます、ついでに兎華乃もいつの間にか体を小さくして起き出している、因みに全員がやっぱり半裸か全裸、中々に垂涎な光景なのだが九峪に今それを楽しむ余裕は無いだろう。

 

無いのだが、無いったら無いのだが。

 

皆少々寝ぼけているのか、その表情はかなり何かを滾らせるものはある、珠洲など、完全に寝ぼけて着替えている九峪に縋り付いてくるし、織部はそんな九峪をベッドに引きずり倒しおもむろに唇を合わせ舌までねじ込んで来る。

 

ここで九峪が、意識を女体の魅力に任せなかったことは褒めてもいいのかもしれない、半裸の美女、美少女、しかも下半身丸出しにこんなことされて身を任せないのは立派である、多分。

 

更に響く怒声に強制的に現世回帰されたとも言えるが。

 

そして慌てて織部と珠洲を丁寧に引き剥がして、織部には離すときに少し胸を揉んだり尻を撫でていたりするので、微妙に名残惜しかったのかもしれないがそんな九峪に突き刺さる視線、その視線の主、目覚めていたのだろう、朝っぱらから自分の男が他の女と接吻しているのを見せ付けられ微妙に拗ねている清瑞にむけて。

 

九峪も清瑞の寝起きが良いのは承知、と言うか散々床をともにしている判らないわけが無いが、拗ねているのも判ってはいるが言うべきことは言っておく必要がある、後で部下としてではなく妻として何を要求されるのかは微妙に空恐ろしい。

 

まぁ、この世界では九峪は清瑞に妻として以外に何かを要求することは無いのかもしれないが、何とか着替え終えた九峪が清瑞を抱き寄せて、これだけで拗ねたのが解消されているのだからお手軽なものである、まだまだ清瑞は初心な小娘としての一面を保持しているから通用するのだろうが、ただ九峪が清瑞の脇から腕を回し乳房を刺激しているのはその拗ねているのを解消させるためか、それとも毎朝やっている行動なのかは微妙に疑問だ。

 

「今、下に客が来ているから、そのみんなに服着させてから来てくれ」

 

それでもピロートークがこれでは清瑞でもそれ程拗ねは解消されないだろうなぁ、と思ったりこれでも清瑞なら拗ねは解消されるかなぁと思ったり。

 

でも、この新婚夫婦のような朝のスキンシップをいつまでも続けられるものでもない。

 

そろそろ下の声が危険レベルになっている早々に行かないと拙そうだ、清瑞にも聴こえている筈だが清瑞は抱き寄せられているのに意識がいっているのか、刺激される乳房に意識がいっているのかそれ程下からの騒音に気に掛けている様子は無い、気に掛ける必要は余り無いと判断しているのかもしれないが、今は九峪との朝の睦みあいの時間を大事にしているのかもしれない。

 

因みに九峪が清瑞に下に来るなと言わないのは言っても来るだろうからとどうせ下の面子の存在は判っているのだから隠し立てしてもしょうがないからである。

 

「客とはあの騒がしい声の主でしょうか、九峪様」

 

ほら、聞こえている、微妙に女の声だから更に清瑞の視線に拗ねているものを交えているが、幾らある程度公認しているとはいえ正妻は自分だと言う意地のようなものがあるらしい、これ以上増えるとなると清瑞の嫉妬もただでは済まないレベルになる、基本的には清瑞は九峪の女性陣の中では嫉妬深い。

 

それだけ九峪を愛しているという現われでもあるのだが、それに九峪に甘えてくるのが一番多いのは清瑞だったりする、九洲では普段が普段で、仕事で昼間は九峪の護衛としての立場があったから九峪と派公として接せなければならないのだからその反動なのかもしれない、その甘えを見せてくれるところは九峪にとっても満更ではないらしいし、自分だけに見せてくれる甘えなど男にとってはツボ以外の何物でもないだろうし。

 

これを天然でやっているのが清瑞が九峪を獲得したところかもしれない、初心だから計算が無くある意味無邪気に男を捕らえている。

 

因みに勿論一番嫉妬深いのは珠洲だが、天目は独占欲が強いが嫉妬のような感情は見せない内心どうかは不明。

 

織部辺りは嫉妬どころかその手の話題を避ける節がある、独占よりも嫉妬よりも純粋に九峪の存在を欲しているのが彼女だろう、単純に男女間のあれこれが肉体関係以外で苦手なだけで示さないだけで嫉妬心は持っているかもしれないが、それとも古代の中でもそれ程地位の高くなくその辺を自覚していた織部としては九峪と共にいれる状態だけでもかなり満足のいく位置なのかもしれないが。

 

まぁ、清瑞が抱き寄せられながらも少し感情の篭った視線は女の意地だろう。

 

「そうだ・・・・・おい、清・・・・」

 

で、そんな女の意地を実行、ベッドの上で膝立ちになり軽く接吻をする、少し強引に、そして唇を離して小さな声で九峪に告げる。

 

「では私達も、着替えたら参りますので」

 

軽く笑って行くように促す、なんか奥さんみたいである、まぁ、正妻なのだから奥さんなのだろうが、清瑞も微妙に大胆になったものである、やはり男は女を変えるのだろうか。

 

逆もまた然りだろうが。

 

 

 

 

 

で、そのあと九峪は微妙に頬を赤らめつつ、寝起きのキスで顔を赤らめられる辺りは男としてまだまだ純情か、鬼畜王の割には。

 

ともかく慌てて階下に下りたがそこは修羅場だった、完全無欠に徹頭徹尾に首尾一貫に。

 

何と言うか、九峪としてはこのまま踵を返して自室に閉じこもり、愛妻と愛妾と淫欲にでも耽りたい、つまりは現実逃避でもかましたくなるような光景、男としての地獄絵図。

 

現在、リビングに居るのは亜衣、衣緒、伊万里、志野どちらかと言うと、九峪より年上か同年の面子、それと姫島日魅子。

 

今現在、亜衣と日魅子が特に日魅子が恐ろしい顔をして睨み合っていた、かたや鬼女、もう一方は羅刹の如し表情で睨み合っている、特に亜衣の表情は宗像三姉妹の姉妹喧嘩のときの表情よりも苛烈な表情をしていたと、後に九峪は語る。

 

亜衣の気性が一番激しいので先頭に立って対抗しているのは亜衣なのだろうが、他の慎み深い、飽くまで比較的に慎み深いと言う表現はついて回るが、衣緒、伊万里、志野は九峪に気付いて何かを求めるような視線を投げかけているし、その目線に篭る期待が痛い。

 

視線を言語訳すると「この女は誰です、何とかしてください」他にも個々に言いたいことがあったのかもしれないがその二つに集約されていた。

 

 

 

 

 

さて、九峪が目覚める前、つまりこのリビングに怒声が響き渡った瞬間に何があったかというと、先ずは判り切っているが日魅子の九峪宅の訪問でありリビングの中の光景を見たことだろう。

 

九峪の家から数分のところに住んでいる姫島日魅子、世間的には九峪は失踪、つまりは行方不明者扱いとなった、早く言うと家出人と扱いは変わらない、日本の警察も一々行方不明者にそれほど熱心に捜査しないのが後日九峪の捜索願を取り下げるのに楽だったと追記しておこう、高校生が一週間程度で、自分で帰って自分で捜索願を取り下げたのだから、少々家出して周囲に心配を掛けたことを担当警察官に絞られた程度、大した騒ぎにはならなかったりする、九峪も家出と言うかブラっと放浪していたと言い張ったし。

 

それはともかく、捜索願を出したのは日魅子の祖父であるし、彼女は九峪が光の中に消えたことを目撃している(正確には目撃していたかどうかは怪しいが)、で、かなり心配していた日魅子、毎日学校に行く前と帰ってすぐ九峪の家に来て夜遅くまで家で九峪を待っては帰ってきているかどうかを調べていたらしい。

 

一週間毎日、健気と言おうか、だがその健気さは九峪はハーレムを引き連れての機関である報われないと言おうか、まぁ、悪いのは全部が全部鬼畜王と九峪を連れて行った天魔鏡である、特にキョウが悪いので恨み辛みはそちらに持っていってもらいたいところだが、現在居ないので悪いのは鬼畜王だろう、少なくとも晴らし先は九峪しかいないのが実情である。

 

で、日課通り、日課となっているあたりがかなり健気さを顕著にしているが今朝九峪の家の訪れてみれば、リビングに寝転がっている4人の美女、それも極上の美女、因みに4人ともまだ寝ていた、昨夜眠りについたのが遅いのだから仕方あるまい、上の連中に比べれば男女間の運動での疲労がないのに目覚めていなかったので本当に寝るのが遅かったのだろう。

 

さて、行方不明の熱愛中の恋人(日魅子主観、実際はキスもしていません)の自宅にいる4人の美女、日魅子はある意味間違って、ある意味正しすぎる想像をしやがりました。

 

再び言うが、九峪曰く彼女は嫉妬深い、可愛らしい少女ではあるし嫉妬心が無ければ健気で出来た娘さんだろう、だが嫉妬深い上にある種の妄想癖に近いものがある、因みに珠洲と嫉妬深さに対してはタメを張るだろう、つまりはそれぐらい凄まじい。

 

よって彼女の目の前で自分の恋人の家で雑魚寝ている女性の正体に対する彼女の考察と見解(かなり個人的な主観より)、もとい裁断。

 

1.九峪の親戚(彼女は九峪の親戚関係を知っている)、却下。

 

2.友達(自分は九峪の交友関係を知っている)、却下。

 

3.・・・・・(認めたくない)、だけど採用。

 

因みに三番は愛人、浮気相手その類義語が入る、認めたくないのは言わなくても判りそうなものだ、大体認められたら散々嫉妬深いと前振りした意味がないが。

 

その最悪の選択肢を思いつき採択して、彼女の脳内ストーリーとしては九峪が失踪中にどこかで関係を持ったとでも勘違い(あながち間違ってはいない)して、それとも自分に隠れて以前から付き合いがあったとでも思ったのか。

 

まぁ、その自分以外の女と自分の恋人が自分にとって不愉快な関係になっている、しかも人が失踪している恋人に心配を募らせている時期に。

 

で、結果、一瞬でヒートアップして怒鳴り声を上げていた。

 

 

 

 

 

それで飛び起きた4(この面子なら日魅子が玄関を開けた瞬間に目覚めそうだが、疲れていたのだろうということで)、起きた目の前には何故か判らないが怒った少女が自分たちを睨みつけて仁王立ちしている、しかも向けているのは明確な敵意、その手の感覚に鋭い彼女達は、特に性格上激しい亜衣が噛み付いたのは当然の成り行きだろう。

 

噛み付く前に噛み付かれたが、勿論噛み帰すのは目に見えているが。

 

「何で、何で貴女達九峪の家にいるのよ、それに誰!!!!九峪は何処に居るのよ」

 

いきなり怒鳴りつけられて呆然とする一同、だがその硬直も一瞬に過ぎず、噛み付かれた亜衣達を代表して亜衣が噛みつき返した。

 

「いきなり怒鳴りつけて、無礼な。貴女こそ何なのですか、九峪様に何用です」

 

既に頭のはっきりしていた亜衣が日魅子に怒鳴り返す、目覚めを不快に覚まされかなり機嫌が悪そうなのが、その細められた目から伺える。

 

で、ここで日魅子が亜衣の言葉に反応する、反応するのが必然かもしれないが。

 

「九峪様、様付けなんて貴女、九峪のなんなのよ。大体何でこの家に居るのよ。九峪とどういう関係なの」

 

どうやら愛人説が強化されたのかもしれない、でも愛人説も無いと思うが、現代の男女関係で様という敬称はないだろう。

 

この場で常識的な突っ込みは意味を成さないのだろうがなんとなく突っ込んでみる、その後は、何と言うか描写するのが面倒くさい。

 

速く言えば意味の無い怒鳴りあいが起こったと言うべきなのだろうか、日魅子が関係を四郎と怒鳴りつけ、それに反感を持った亜衣が怒鳴り返す、亜衣が少し矛を収めて問いかけても更にヒートアップする日魅子、延々と進展しない、つかみ合いに発展しないのが不思議なくらいではあったが、両者ともネタが尽きて黙り込まなかったのも不思議であったりするような展開だった、それだけ怒声が飛び交ったというわけでもあるのだが。

 

つまりはあまり進展せずに九峪が降りてくるまで不毛な言い争いが展開されていた、時たま伊万里と志野が口を出すが、日魅子の怒りを煽るだけだったし。

 

因みに内容は日魅子が亜衣達に九峪との関係を問いただそうとするが、口調が乱暴なので怒鳴りあいになり平行線をたどったというものである、冷静な話し合いが可能な状況でもないがかなり不毛である。

 

 

 

 

 

で、九峪が降りてきたところから再び進展する。

 

九峪は今にも掴みかかって喧嘩でも始めそうな二人を見て軽い頭痛を覚えているのか頭に手をやりつつ、もしかしたら現実逃避を決め込み逃げる算段でも立てていたのかもしれないが、その気持ちもなんとなく判らんでもないが九峪に逃避を選択する権利など与えられていない。

 

大体既にこちらに気付いている志野や伊万里の手前逃げ出すわけにも行かない、男として、愛人に対して、それとこれからの問題に対して、そもそも逃げ出したら逃げ出したでその間に何が起こるのかが恐ろしいというのもある、どんな大惨事が起きているか、心理的には逃げてもあまり変わらないだろう逆に心理的には逃げたほうが追い詰められるかもしれない状態、つまりは九峪に逃げ場は無いということで、幸せものに苦難を体験してもらいましょう。

 

それが幸せ者の責務と苦難だ、特に苦難、得と味わえ。

 

 

 

 

 

「日魅子、えっと、その久し振り」

 

開口一番がそれか九峪、まぁ微妙に表情引き攣っているから何とか搾り出したのかもしれない、どの面下げて現状を説明しろと言うのか、かなり辛い立場だろう、そもそもこの場合挨拶できるだけいい度胸だと言える、その度胸が九峪にとっていい方向に進むかどうかは別の問題でしかないのが悲しいところかもしれないが。

 

その声でやっと気がついたのか、日魅子と亜衣がこちらに同時のタイミングで振り向き。

 

「「九峪()」」

 

ユニゾンしなくても。

 

二人とも顔が怖いと言うか凄まじいというか、九峪としてはなけなしの度胸を振り絞って声を掛けたというのに、いきなりその勇気が萎みそうだ、まぁ修羅のような女の顔に耐性が無いわけでもないが。

 

愛妻の清瑞に初めて浮気がバレた時のほうが怖かったかもしれないし、短刀を逆手に持って迫る清瑞には命の危険を戦場以上に感じた九峪、因みにそのときの相手が兎華乃、兎華乃の外観もまずいが、手を出した事実もかなり不味い、幾ら兎華乃から誘惑した、それも殆ど魔人の力を使っての逆レイプだから九峪としてはどうしろと言いたいところだ、強硬に拒否しても、実際には拒否しなくて逆レイプを有る意味受け入れて体の誘惑に負けた九峪にそのとき言い訳の言葉も無いだろうが、拒否しても無駄に終わったのは目に見えている。

 

因みにその時は清瑞に半泣きで「浮気者、この助平の好色男の浮気者」とか呟かれ、半日以上追い回され、本気で命の危険を感じた九峪は普段の体力無しの貧弱な坊や状態からは考えられないほどの持久力を発揮して逃げ回ったのだが結果としては全身傷だらけになった九峪、本当に刀傷などがあるのが恐ろしい、青痣は大量に生産されている。

 

文字通り満身創痍、なおこの肉体的損傷はお仕置きの前置き段階であったりする。

 

それから九峪がある程度落ち着いた清瑞の機嫌を直させるのにかなり苦労した。

 

苦労の内容を有る程度記述すると、散々切り付けられ、青痣は逃げ回るところに彼方此方に打ち付けたのだが、追い回され捕獲された九峪が、九峪と清瑞の部屋(この当時は同室ではないが清瑞のほうから来て閨を共にすることはままあった)に連れ込まれ、蹴り込まれたともいえるが。

 

言い訳、もとい謝罪、総司令官の威厳も何もあったものじゃないが清瑞相手にそんなものはどうでもいいとして九峪の土下座、因みにこの時九峪半泣き、清瑞羅刹の表情。

 

よっぽど九峪はこの時の清瑞が怖かったらしい。

 

その後九峪は清瑞を宥める為に謝り倒し、ご機嫌を取り、その他諸々の何かをなし、最後には九峪と清瑞が閨を共にして清瑞が女王様モードで九峪に奉仕させたり。

 

少し清瑞が病みつきに為ったりしたらしいが。

 

なお、周りの世間体として基本的に一夫多妻が認められているとはいえ、清瑞が怒ったのは浮気は浮気だそうだ、まぁ、怒るだけ怒ってそれで愛想を尽かすということはなかった。

 

浮気するたびに清瑞は怒るが離れる気は無いらしい、浮気されるたびに九峪が清瑞のお仕置きを受けたのは確かなのだが。

 

清瑞としては一時でも自分の立場を放り出すと(九峪の暫定正妻)回りの女に自分の居た場所を即座に捕られそうだという競争原理があったので放りだす事等は出来なかったのだが、特に兎華乃とか天目とかその他諸々とか。

 

なお九峪の清瑞に対するご機嫌取りはひたすらに清瑞の我侭を適えること。

 

それこそ全身マッサージ、清瑞は真っ赤になりながら九峪をおちょくりつつ馬鹿ップルのようなことをやらせていた、本当に喧嘩していたのかというくらいに仲良さげに。

 

他には自分のお好みのプレイ(女王様プレイ)、お出かけ(訓練とも言う)、プレゼント(基本的に九峪がくれるものなら何でも喜ぶ)、普段九峪が恥ずかしがって言ってくれないことを言わせたり行動させたり(愛しているとかなんとか砂糖を吐き出しそうな単語)、九峪が心底嫌がることはさせなかったあたり、無茶苦茶を要求することは無かったが。

 

まぁ、一応お仕置きと言う名目だろうとも九峪に嫌われたくは無いし、九峪が嫌がる顔を見て喜ぶサディストでもなかったからだが。

 

こう書くと、九峪もお仕置きの苦労がさほど無いような気もするが、それなりに辛いらしい、申し訳なさとか、女の子が増えるにつれ苛烈になる要求とかで。

 

 

 

 

 

で、話が戻り、日魅子が九峪の名前を叫んだ後九峪に向けてダッシュ、軽く跳躍して九峪に抱き付き熱い抱擁とは、ならなかった、抱擁には違いないかもしれないがベアハッグは見た目だけなら、別名さば折。

 

熱烈な抱擁には違いないかもしれないが、法要の意味合いとは全く異なるだろう、攻撃と親愛の感情表現の差は。

 

普通なら女子高生のさば折程度で高校生、現代では体の出来ているというか九洲にいたので現代では突出した体力を保持している九峪に効くとは思えないが、しっかり九峪は苦悶の表情を露にしていた、というかかなり痛そうだ。

 

これを見ていきり立つ亜衣、眉を僅かに吊り上げる志野、唇の端が引き攣る伊万里、表情が硬くなる衣緒、性格を表している反応だろう。

 

因みに怒りの度合いは攻撃行動が3で抱きついたのが7であったりする。

 

「九峪様に抱きつんじゃない、小娘、離れなさい」

 

だが、このときの九峪、微妙に足が浮いており、その表情が真っ青になっているのには気付いていなかった、どんな背筋力をしているのだろう日魅子ちゃん。

 

今は怒鳴りつけるよりも九峪救出のほうが肝要だと思うぞ愛人ズ。

 

「ネェ、九峪、この人達誰?」

 

九峪の耳元に囁かれる蕩ける様な甘い声、だがこの時の日魅子は確実に殺す気だったのではと思える程の怖い笑みを浮かべていたと九峪は後に語る。

 

意識が痛みのあまり薄れる中みた幼馴染の表情は正に悪鬼羅刹のそれだったのだから、浮気がばれた清瑞よりも恐ろしい。

 

九峪の状態に気付いた衣緒が引き剥がさねばマジに意識は手放していただろうし、引き剥がされた後追撃しようとするのを伊万里が防がなかったらやっぱり意識を手放していたかもしれない、因みに羽交い絞めにしたのは志野、その羽交い絞めされた彼女と睨み合う亜衣、普段はクールな軍師なのにどうも感情が迸ると理性が飛びがちである。

 

 

 

 

 

で引き剥がされ、再び突進してくること無く日魅子は九峪を睨み付け。

 

因みに亜衣が仇敵を見る目で睨んでいるが気付いていないか無視しているのだろう、何で会って早々この二人は、相性が悪いのだろうか。

 

そして低音の日魅子の声が響く。

 

「九峪、何処行っていたのよ。遺跡から一週間も、それにこの人達誰」

 

亜衣達4人を見回しながら、特に後半に気合が篭っている、と言うか後半部分にしか聴きたいことはありませんといった様子、今の重要事項は、九峪の失踪ではなく女たちとの関係のようだ。

 

九峪がなんと答えようか迷っていると、なんとも答えようが無いのだろうが、正直に話したら正気を疑われかねない、確実に檻のある病院送り、変な誤魔化しと受け取られてまた別の普通の病院送りかもしれない。

 

女性たちとの関係から暴露しても同様だろう、やっぱり檻のある病院ではなく本物の病院か、葬儀屋だろうが。

 

で、凄まれて睨まれ殺気を叩きつけられて答えを迫られ、それで居てこの場を収める言葉が思いつかない九峪が悩んでいる、そんな時。

 

「九峪、おはよう、この女誰」

 

「九峪さん、何かありました」

 

「何かあったのか、みんな」

 

珠洲、兎華乃、織部の三人、清瑞はいない、もしかしたら天目の様子を見に行ったのかもしれない、元々それほど仲が悪かったわけでもなし、母体の天目を気遣っているのだろう。

 

因みに三人が日魅子を見る目はそれぞれ、敵意、好奇心、困惑となる。

 

「この人達も誰、九峪、ちっちゃい子達もいるようだけど」

 

日魅子が更なる参入者にも睨みつける、完全に目に映る人間を全て敵視している。

 

するなと言うほうが無茶かもしれないが。

 

自分の恋人が帰ってきたと思ったら7人も女の子(美人、美少女(兎華乃は美幼女?))をつれて帰ってきている、しかも仲が良さげ、これに怒るなというほうが無茶なのだが。

 

妙に攻撃属性が高いな、その怒りの方向性。

 

只その敵視の目線に最も激しく反応する少女、と言うかこの少女はこういう目で見られたときの反応がわかりやすい、敵意に敵意を増幅して更に悪意と害意を上乗せして返すタイプというか、社交性が皆無と言うか、敵を作るのには天性の才能を保有していると言うか。

 

勿論珠洲である。

 

ここにいる女性陣(清瑞、志野除く)が須らく体験している、珠洲の嫉妬。

 

基本的に九峪と親しい女全員に向けられる嫉妬心だが、九洲ではこれ関連の騒動が結構あったのだ、珠洲は女性陣の中では最も独占欲が強く、嫉妬心も強い、と言うよりは一度受け入れられた人間に対する執着が並ではない。

 

勿論それは嘗て毛嫌いしていた九峪にも適用され、いや初めて愛した男性と言うことで過去前例が無いほどその執着心は強い、速く言えば珠洲にとって自分の知らない女が九峪と親しくしていると気分が悪くなって仕方が無いし、攻撃性を発露すると、奪われそうで不安で仕方が無くなる心理状態を常に持っている、戦乱の世で全てを失った経験からかもしれなかったが、珠洲は親しい人間を失うことを激しく恐怖する。

 

だから、九峪に近づく女=自分から奪っていく敵と見なしていた時もあった。

 

そういう時は相手の女と喧嘩腰で舌戦を繰り広げたり、あからさまに拗ねて九峪の気を引こうとしたり、大体、肉体的に鳴かされると機嫌を直したが。

 

珠洲にとって性行為は繋がりを確かめ愛されていることを確認する行為なのか、行為の後は機嫌もいいし、暫く嫉妬も顰めてはいたが。

 

最近はそれも大人しくなったが、因みに意図的に妊娠を企んでいた筆頭は珠洲だったりするのだが体が成熟していないせいか、九峪が珠洲の体を気遣ってそういう結果になるようなことは出来るだけ控えた為かそういう事態には陥っていないが。

 

で、結果として女に対する対応は原作読んでいれば判るが志野によって来た男に対する対応と同じ、つまりは毒舌、そんな珠洲が敵意の目のまま日魅子の前に立ち。

 

「ちっちゃい子じゃない、珠洲、さっきから鬱陶しいあんた誰」

 

口調が喧嘩売っている、どうやらちっちゃいと言うのが更に気に触ったらしい、それでなくても気に食わない人間には苛烈なのだが、因みに珠洲は自分の発育不全と低年齢な体を最近切に呪っているような節がある、自分の周りには豊満なのばっかりだから、因みに珠洲は衣緒に優しい。

 

だがその辛辣な態度は只でさえボルテージの上がっている日魅子の琴線を刺激する、見た目中学生に本気で怒るのもどうかと思うが、今は相手が中学生ぐらいというよりは女というほうが怒りのボルテージを振り切るのだろう。

 

因みに九峪君、珠洲が出てきた辺りで志野に目線を送ったが、首を横に振られて(嫉妬モードの珠洲は止めるのが困難)、少し現実逃避気味。

 

「じゃあ珠洲ちゃん」

 

質問には答えず一応言い直す、なんとなく律儀だ。

 

「ちゃんは要らない、珠洲」

 

日魅子の訂正した言葉に更に神経をえぐる返答、もしくはアイスピックで攻撃するような言葉、因みに珠洲は子ども扱いを嫌う、特に最近はその傾向が急上昇中。

 

で日魅子の珠洲に対する可愛くないガキ、九峪の初印象と同一だったのか微妙に笑えるところだろう、でも余り不思議でも無い珠洲に対する殆どの人間の感想は可愛くない奴であろうから、九峪辺りは最近可愛い奴とか言ってはいる。

 

少し褒めたりすると、ぶっきらぼうなことを言って真っ赤になったりするし、結構些細なことを気にするのでそれが可愛いらしい、ベッドではかなり積極的で従順だし。

 

勿論九峪の可愛いは夜の態度を含めて可愛いといっているのだが。

 

「じゃあ、珠洲。貴女九峪の何よ、友達、親戚?」

 

日魅子もこんな小さな子はその手の心配の範囲外だったようだ、それとも言いたくないだけだろうか、今の精神状態から言いたくないというほうを選択したと思うべきだろう。

 

因みに珠洲の年齢は不明なので14歳位と言うことで、発育が悪いので小柄だが。

 

でも、その日魅子の違ったらいいなぁと思うような問いかけは完全にブッチされて言葉が続く、と言うか槍でつくように言い返す。

 

「私は、九峪の女、だからあんたは何」

 

言いやがりましたよ、きわどいと言うか決定的な一言、そんなことは何でもありませんといった口調でさらりと言い放つ珠洲、確かに珠洲は誰に聞かれてもこう答えるが、古代九洲であれば九峪の風評はともかく許されるかもしれないが現代で珠洲が九峪戸の関係を誰彼構わず言い触らした九峪の手は後ろに回るということを何の躊躇いもなく、あの冷たい目で日魅子を見てそれはもう簡潔に、それでいて意味の取り違えがおき得ないくらいに。

 

雅比古君はあまりのことに精神的にどこかに行きそうだったが。

 

と言うか果てしなくどこかに行きたいだろう、出来れば、日魅子のいないところ(正確には来れないところ)、何気に古代九洲が懐かしくなっているのかもしれない。

 

絶対に追っかけられそうに無いから。

 

只、九峪君珠洲に感謝したほうがいいかもしれない、君だと多分いつまでたっても本当の事言えないだろうから、彼女達と同居して、殆どハーレムを築く以上隠しようなんて無いんだから。

 

と言うかどうやって隠す。

 

だが今現在に於いてそんな感謝が浮かび上がれば九峪はバチカンに聖人として列せられるかもしれん、ついでに九峪葉珠洲に対しての現代の教育を徹底すると心に誓ったとか何とか、まぁ昨日のうちに釘を指しておかなかった時点でもう遅いのだが。

 

だって目の前に。

 

「九峪、どういう事、あんた犯罪に走ったの。そのための失踪してたの!!!大体こんな小さい子になにしたのよ、この子あんたの女とか言っているし。小学生に手を出していいと思っているの。それに私を放っといて何処に行っていたのよ!!!!」

 

殺す目をした日魅子がいるんだから(後ろに龍が見えるし)、因みに珠洲は小学生ですか、なお最後の言葉に珠洲を始め幾人かの眦がわずかに釣り上がりました、珠洲は小さな子という言葉や意味は判らないが小学生と言う単語に不機嫌になっていたりするが。

 

何気に自分の男を詰問する恋人の口調と言うのが女として瞬時に理解したのだろう、勿論既に理解していたのもいるが、故に他の女性陣、亜衣が日魅子を睨みつけ、いつの間にか織部と兎華乃が面白そうに眺め、他の面子は心配そうに九峪を見守っていました。

 

 

 

 

 

で、最後の止め(もう何が起こるかわかっている人いるだろうなぁ)

 

但し止めが一つとは限らないが、あれとか、これとか、それとか。

 

 

 

 

 

で、完全に頭に血が上ったというか、確かに珠洲が自分は九峪の女と言うのは拙すぎる、年齢的に、倫理的に、法律的に、道徳的に拙い、そりゃ世間を探せばその辺に退職しているのは幾らでもいそうな気はするが、だが拙い。

 

九峪君ロリ野郎確定(実際に変身前の兎華乃相手でも興奮できるのでロリペド野郎だが)何より完全に九峪が浮気と言う事実、しかも推定小学生+ツルぺタ。

 

そんな目で日魅子は九峪を睨んで詰問しようとしていたが、だが珠洲はしつこかった、と言うか珠洲が相手に苛立ちを覚えて大人しくしているわけが無い。

 

「話しているのは私、九峪じゃない。だからあんた誰、質問に答えたんだから、私の質問に答えて。それが礼儀」

 

うわーい、完全に喧嘩売っているよー(ライカさん風)

 

その言葉で、注意が珠洲に向く、無論殺意の波動に目覚めそうな日魅子の注意だが、その殺気に近い雰囲気をかもし出しているが、実戦で本物の殺気を味わっている珠洲には効果がないから平気なのかもしれないが、殺し合いの殺気に比べれば痴話喧嘩で生じる殺気等凪のようなもの、実際は九峪も殺気よりはそれを超越した危機感に震えていたのだが。

 

「私は姫島日魅子、九峪の幼馴染の恋人よ、大体あんたが九峪の女ってどういうことよ!!!」

 

「言葉の通り、正確には私は三号さんだけど」

 

爆弾一発目。

 

「三号? どういう・・・・・・・・」

 

日魅子の疑問が口を出る前に珠洲が口を開く。

 

「ここにいる女、全員九峪の妾、それに九峪は私が知り合う前恋人なんて居ないって言ってた。それに何で九峪の屋敷にあんたがいるの」

 

どうやら恋人発言で対抗心が燃え上がったらしい珠洲、気心の知れた仲間ならともかく、見ず知らずの女は気に食わないのか、基本的に人見知り激しいし珠洲。

 

九峪は既に白骨化しかけていたが。

 

因みに、日魅子は呆然と周囲を見回し、何故か壊れたような軽い笑いを漏らしていた、

どうやら現実認識を上回ったらしい、復活したら烈火のごとく荒れるだろうが。

 

 

 

 

 

で、案外すぐに復活、呆然としていたのは数秒だったりする、怒りが暴発する充填時間だったのかもしれない。

 

「何、言っているのよ、この小娘、九峪が全員と付き合っているですって、そんな冗談」

 

確かに冗談にしか聞こえんな普通は、まともに聞くほうがどうかしている。

 

「冗談じゃない、あっ、清瑞、天目・・・・・」

 

1拍置いて。

 

「ついでにあれが九峪の奥さん」

 

ちょうど入室してきた清瑞と露出のない天目(母体と言うことで慌てた九峪が、昨晩着せたものを纏っている、因みに九峪の母親のもの、それでもかなり着こなしが巧いので十分に美しいのだが、追記女達みんな現代の服です)、それを紹介する珠洲、勿論気に食わない相手に対する嫌がらせもを篭めてだろう。

 

それにしても、珠洲が天目を格上に位置づけている、奇跡か。

 

で、この二人、いきなり奥さんと紹介されて。

 

「ん、ああ客人か、九峪の妻、清瑞だ、よろしく」

 

「同じく妻か、私がこういうことを言うのも変な気がするが、よしなに」

 

ご丁寧に返事で返してくれました、この二人今までのリビングの状態をまるで把握していないようだ。

 

因みに、天目の着ている服、露出こそ普通の夏の女性としては控え目といえるレベルだが、彼女元がかなり良かった、それに九峪の家は資産家、母親のものとはいえそれなりの衣装がある、そして彼女はかなり自分の美にプライドを持っていた。

 

それほど粗末な格好で人前に出ることを良しとしなかった、それで降りてくるのが遅かった辺の事情だ、愛しの旦那の前では尚更綺麗で居たかったのだろう、それはもうかなりの美貌に見えた、そこそこのモデルや美人で売っている女優がはだしで逃げ出しそうなくらい。

 

つまりはそんな美人が、九峪の妻と言われて、今度こそ日魅子の現実認識を超越した。

 

 

 

 

 

清瑞は慣れない自己紹介に僅かな恥じらいを混ぜて微笑み、天目は自分が妻と言う言葉を喋ることに自嘲でもしたのか苦笑いをしてやわらかく微笑んでいた。

 

二人の女性の言葉に悪意はなく只自分の認識している立場を述べたに過ぎない、そこに悪意の介在する余地はないし、先ずこの二人が入室直後にそのような感情を込める意味がない、それどころか朗らかな笑み、何か満たされた人間が浮かべるそれを日魅子に向ける清瑞と天目、少し見ればこの人幸せそうだなぁって思える表情。

 

特に現在天目は自己の人生で一番満たされている時期だろう、これから数ヵ月後に彼女にさらに幸福は訪れる、そのときが人生で最高の瞬間かもしれない、無論それは人それぞれだろうが、天目にとっては最高に違いない瞬間。

 

子を成すということは女性にとって最高の苦痛を与える行為だが、無常の喜びも伴う行為だろう、其れが愛し愛され生まれてくる子なら尚の事、望み望まれて生まれてくる子供の場合。

 

そのお陰かいかにも幸せ一杯ですと言う柔らかな笑みは以前の天目のキツさのようなものを見せず、柔らかい美貌となって彼女を一段と綺麗にしている、今の天目は完全な美人と称していいだろう、理知的で優しそうで意志が強そうで、何より笑顔が綺麗な女性、笑みの綺麗な人間は美しいとされるが今の天目には其れが当て嵌まる、それに加えて母性から発せられる柔らかさ。

 

そんな綺麗な人間が自分の思い人の妻だと名乗る(しかも最低でも5.6歳は年上の極上の美女が)、今度こそあっさり日魅子は現実認識を崩壊させ、ポカンとした顔で主に天目の顔を眺めるのみだった、先程までの激昂も忘れて。

 

判りやすく言うと固まっただけなのだが。

 

因みにそのとき九峪は灰になって床に突っ伏していて、兎華乃につつかれていたりする、心の準備が無いまま連続して暴露されてこちらも心停止一歩手前。

 

でも、視点を変えてみれば九峪が自分で言わなければ為らないことが次々と露見したのだから幸いと言うべきなのかもしれないが、少なくとも九峪が自分で言う度胸があったとは思えない。

 

 

 

 

 

暫くして、中々回復しない日魅子に珠洲が後頭部を引っ叩き、強制的に現世回帰させるやいやな、因みに誰に叩かれたかは気にしなかったらしいが目覚めたとたん辺りを見回して、未だ灰になっている九峪に鬼神の表情で迫りその襟首を掴み上げ、それはもう凄まじい勢いで九峪の首を上下させて、吼えた。

 

呆然としている時間にある程度の脳内での整理は出来たようだった。

 

「どう言う事なのよ、九峪!!!!大体妻、妻ってなによ、いつの間に結婚したの、私に黙って。それにあの小さい子が九峪の女、妻がいるのに女ってどういうことよ、ここにいる人達の関係はなんなのよ!!!!それに私のことはどうなったの!!!!!!!!

 

それは凄まじい絶叫である、加えて九峪をもう前後に揺さぶるのではなく既に振り回している、九峪の身長180以上ある筈なのに本当に現代人の体力か日魅子。

 

力加減など完全にブッチして九峪の首を振り回す、しかも締め上げるように掴み上げているのでいい感じに首が絞まっているし、その結果、九峪、苦しそうに足をバタつかせているがそれは無視して振り回し続ける。

 

つまりは九峪の足が浮いていると言うことなのだが、だから本当に現代人とは思えぬ力である、技名ネックハンギングツリー(?)

 

九峪、早くも天に召されそうだが、これでも一児の親(予定)、妻と子供残しておいそれと死ぬわけにも行かないし、周りが死ぬことを赦さないだろうし、彼は愛されているのだから、一部変な愛し方をしているのも居るが(亜衣とか衣緒とか)

 

この暴挙を許すような連中はこの場にはいなかったし、ある程度の事情を理解していない存在も居た。

 

「九峪に何をするか狼藉者」

 

突然の暴挙に虚を突かれたのか反応が遅れたのだろうが、それでもすぐさま九峪と日魅子を引き剥がし、日魅子を突き飛ばして九峪と距離をとり、九峪を抱えて敵意の目線で睨みつける女性、九峪の正妻にて相棒、本来護衛の立場を持つ清瑞である。

 

なまじ今ここに来たばかりなので完全に今の様子で日魅子に苛烈な敵意を送っている。

 

彼女にとって九峪に危害を加えるもの=敵なのであるから、それは九峪を愛する前からの彼女の職分、九峪の護衛として戦争を生き抜いてきた彼女の刷り込まれた意識。

 

彼女は優秀な乱破で、嫌いな相手でも守る相手を傷つかせるような真似は許すまい、ましてそれが行為を露にする旦那となると、咳き込む九峪の背中を撫で介抱しているが、日魅子から意識を外してはいないだろう。

 

「大丈夫か九峪、首は」

 

「大丈夫だ、だから殺気を抑えろ、日魅子が怯えてる」

 

百戦錬磨の武人である清瑞の殺気を現代人の日魅子が浴びればどうなるか、九峪は自分には向けられていないし慣れもあるからさほどでもないが、清瑞の殺気はかなりキツイ。

 

殺気を向けられただけで現代の人間ならば戦意を喪失しても恥ではないほどに凄まじい、人間が獅子に立ち向かうようなものと同じような前提の差がある。

 

日魅子は突き飛ばされた瞬間に出掛かった文句が口の中に引き戻され、先程の勢いを失って今ではペタンと座り込んで怯え震えている有様だ、耐えられるわけがないのだ、明確な殺しの空気も知らない現代人が殺し殺される戦場で生き抜いた猛者の殺気になど。

 

野獣の殺気の持ち主に購う術等持ち合わせていない、その眼光にさえあがなうことが出来る訳が無い。

 

意思が違う、経験が違う、感情が違う、身に潜む狂気が違う、人を殺した経験が、人の命に対する価値観が全てが全て違いすぎる、対抗は無意味ではなく無価値にさえなる差があるのだから。

 

それこそ半泣きになって、手で清瑞から少しでも離れようとするような怯え方、だがそれは当たり前の反応だ、人間は竜の前に立たされて恐怖しないものは存在しない、怯える事こそが正しい。

 

それに気づいた九峪が清瑞に殺気を抑えるように諫める、幾らなんでも痴話喧嘩で本物の殺気を放つ必要はあるまい、九峪でさえ耐え難い殺気を向けられるのは幾らなんでも哀れに過ぎる。

 

これは天目にも向けているが、天目も突然の暴行に穏やかな顔を消し去りその身から僅かな殺気を昇らしている、僅かといってもその殺気の質は清瑞よりかなり濃い、戦士としての器量は清瑞に傾くだろうが修羅としては天目の右に出るものは九峪側の陣営でもごくわずかにしか居ない、迸る濃密な殺気は僅かといっても泥のような粘度を持っている。

 

妊娠していても虎は虎、身に孕ます狂気が潜めただけで何時でも吹き出る狂気を持ち合わせる、これは幾ら天目が幸せになろうとも、幾ら天目が安らごうが消えはしない狂気、そういう狂気を持って生きてきている、これまでもこれからもそうやって生きていくしかない。

 

そういう点では九峪を愛する女達も一人残らず人殺し、戦争の修羅に身を染めた、九峪も直接では人を殺めずとも自分の支持で数千の敵兵を殺し、味方を死地に追い遣った、誰も彼もが多かれ少なかれそういう狂気を孕んでこれからも生きていくしかない。

 

現代人から見たら化物のような生き方をしてきた人間達。

 

その狂気には現代人は視線の一つにすら贖えない、まして女子高生程度では・・言うまでもない。

 

 

 

 

 

九峪が宥めて二人共殺気はしまったが、警戒の空気は色濃く残っている現状で何とか日魅子はその現在の怒りのお陰か生来の気の強さかで持ち直し、もしくは理解出来ない恐怖感を怒りで忘れる事で怯えからの自己防衛となしたのか。

 

それでも暴行は控えるのか若干先程よりも大人しめに九峪を忌々しそうに睨んでいた、逆に日魅子も清瑞と天目に睨まれていたけど、睨み合う様な展開にならないのは日魅子があわせようとしないのだが、それは本能だろうか、だがしかし九峪を見る目は修羅か羅刹の如し、嫉妬の怨念が篭っている。

 

その日魅子の目はかなりの割合で九峪の浮気と推定されることを責め立てている、既に行方不明の心配などこれっぽっちもないかもしれない、そんな瑣末ごとなど恋人の不貞の前には塵芥同然であるとばかりに睨み付けている。

 

それでも清瑞&天目の奥さんズに微妙に怯えつつ、相当怖かったらしい、まぁ、逃げ出さないだけ普通の女子高生に比べれば気丈なのかもしれない、眼光も詳しく説明しなければ梃子でも動かないという意志は露にしている。

 

 

 

 

 

で、説明開始、作者としてもなんと説明すれば迷うのだが、と言うかどう説明しても落ちが決まっている、しかも珠洲やら清瑞やら天目があらかたばらした後、誤魔化しは不可能に近い、本当の事を言っても信じてもらえない可能性が高そうだが。

 

だって信じる、異世界に行って奥さん、恋人、妾大量に作って帰ってきましたって、作者ならカウンセラーか精神科医に行くことを薦め、三ヶ月ほど療養してきてもらいたいほどである、少なくとも生暖かい目で相手に見られることは確実。

 

しかも子供まで出来ました数ヵ月後には父親です、嫉妬深いと理解している一応元恋人に告げられるか、冗談と取られることが確率としては高いかもしれないが、殺される可能性もかなり高いし。

 

それだけ九峪は、漢、勇者、鬼畜ではない(鬼畜は正しい、九峪はロリィな兎華乃にも散々いやらしいことをやってきたのであるから、正確にはやらされたが正しいが)

 

結局はこれだけ前置きしておいて正直に吐いたのだが。

 

これは日魅子に実情を説明すると言うよりは九峪の心理として天目の目の前で嘘をつくことが出来なかったと言うのもあるが、嘘がつける雰囲気ではなかった、皆九峪を慕ってこの世界、故郷まで捨てて九峪を追ってきたのだし、それを無碍に出来る男でもない、

 

その思慕の感情を無碍に出来る男なら最初からこれほど好かれることもなかった。

 

つまりは嘘を吐いて誰かを悲しませるのを嫌がったのだ、自分を愛する誰かに不快を感じさせるのをいとうたのだ、この優しく冷静で優柔不断な鬼畜王は。

 

それに天目昨日のことでかなり安定はしているのだが、軽く妊娠の為に情緒不安定であるし、打ち合わせ無しでいい加減なことも言えない、変な誤魔化しを聞いて心を乱させるわけにもいかない、これは嘘がつけない雰囲気の主要因となるだろう。

 

確かに嘘がつけなかった理由に天目の存在は九峪の中ではかなり大きかったのだ、妊婦はこの世で最強の存在なのだから致し方ない、男にとって。

 

 

 

 

 

その結果、呆然としている姫島日魅子嬢がいましたとさ。

 

どうやらあまりのことに現実逃避に走ったのかもしれないし、脳の許容量を超えた事態に反応できないのかもしれない、それともあまりの怒りに気を失ったか、どれにしろ現世回帰したときが恐ろしいが。

 

因みにその間、九峪は日魅子との関係、珠洲を筆頭に尋問され洗いざらい吐かされていました、質問の中には性交渉の有無とか粘膜的接触(接吻)の有無とか、かなり直接的な質問もかなりあったのだが、その辺を聞いてきた面子はご想像にお任せしよう。

 

吐いた後、何気に珠洲が勝ち誇った顔で日魅子を見たのだが、何を勝ち誇ったのだろうか、未だ九峪と肉体関係どころかキスもしたことが無いと言う九峪の自白による優越感の発露かもしれないが、珠洲は九峪にされたことが無いといえるぐらいかなり色々やっているから、正確にはやらせた、これも珠洲が自分に体が無いなら技巧に走った結果だった。

 

因みに、九洲でも珠洲の九峪の独占欲の発露は凄かったらしいが、その辺は小説の志野に対する態度を見ていれば判りそうなものかもしれないが、嫌われない為に、というか以前の態度で当初の珠洲本人は九峪に嫌われていたのではという不安がかなりあった為、助平な九峪に性的な奉仕を頑張ったと言う裏話があるのだが。

 

其れこそ描写できないぐらい色々と、この面子で一番凄いプレイを体験しているのは多分珠洲(面子内最年少者、それを甘んじて受ける九峪君、鬼畜、鬼畜)

 

一番床上手なのが最年少なのはどうかとも思うが、と言うか天目の女としての技巧を超えれている珠洲何者?

 

 

 

 

 

で、日魅子現世回帰。

 

どうやらいきなり暴れるほどの気力は戻ってきていないらしい、あまりの現実に打ちのめされたともいえる。

 

で、意識回復をして口を開いた最初の台詞が。

 

「九峪、私と一緒に病院行きましょう、そうね休養が必要よ。何処に逝っていたか知らないけど、九峪は疲れているの。大丈夫、私は見捨てたりしないから。私達恋人同士だし、幼馴染だから、お見舞いにも欠かさず行くから病院に行こう。ちょっと窮屈な病院かもしれないけどちゃんと治るから、治るまで私はついていてあげるからね」

 

どうやら脳内で九峪=頭を患っている人で決着を着けたようだ、一番現実的な判断かもしれないが。

 

「日魅子、あのな」

 

一応抵抗を試みる九峪、と言うかその手の病院の必要性は無いのだから拒否するだろう、今のところ必要なのは天目を産婦人科にどうやって連れて行くかと言うところか、戸籍などの問題もあるが先ず保険証が無い(その辺の細かいとこは無視しても構わないだろうが)

 

それでも日魅子は首を振って優しげに、因みにその目は妙に労わりが混じっている、先程の嫉妬に狂った目は欠片も無い、キチガ○を優しく見る目といえば判りやすいか。

 

「九峪、よく聞いて、九峪は疲れているの、疲れているんだから休まないと。休んで、治療を受けたら元通りの九峪に戻るからそれまで病院にいよう。もしかしたら九峪はどこかで酷い目に合ったのかもしれないし検査も必要だから。病院と言っても怖いところじゃないのちゃんとした社会生活を送るためには行かないと。九峪の将来が駄目になっちゃう。そうだオジサンやオバサンにも」

 

更に行方不明期間に何かあって混乱しているのではという仮説まで付け加えてくれる、確かに酷い目にはあっただろうが、根本的に天魔鏡のせいだろうが。

 

もしかしたら九峪を精神病者に仕立て上げることで、現在のハーレム&九峪出来ちゃった婚もどき状態を否定したいのかもしれない、そんな心理の防衛機制はともかくとして、本気の痛い人を見る目を知人にされるのは辛いものがある。

 

「だから日魅子、俺はマトモだって、それに本当に天目は俺の・・・・・」

 

この言葉が拙かった、心理的に逃避していた日魅子の琴線に触れ誤魔化していた心理を浮き彫りにする。

 

早く言えば嫉妬再燃、正確には無意識に誤魔化して燻った状態だった嫉妬の炎にガソリンを流し込み、嫉妬爆発。

 

その目が再び羅刹に種類の眼光が宿る。

 

「俺の、何」

 

恐ろしく低く、ドスの効いた声、日魅子あんたヤクザも逃げ出すよその声は。

 

九峪を一瞬で凝固させるには十分過ぎる声。

 

それでも、珠洲と清瑞の嫉妬を受けた九洲時代の体験は九峪に何とか言葉を紡がせた。

 

この二人、嫉妬モードに入るとそれはそれは恐ろしいから。

 

「俺の子供を妊娠している、だから俺の女房になるし俺も責任は取る、天目を愛しているし」

 

最後のほうはかなりキッパリと言い切った、九峪としてはこれで日魅子に嫌われようと軽蔑されようと、天目を優先させたのだ、父親としての自覚が僅かながらに出ている。

 

「それに俺は、その世間的には拙いんだろうがここに居る全員を愛している。これは否定できない。清瑞は俺の妻だし、他のみんなも俺を愛してくれている。だから・・・・・・・・・・・御免な、日魅子」

 

そして自分を愛してくれている存在を無碍に出来る男ではない、日魅子が九峪を愛していないとは九峪は考えてはいないだろうが、彼女達と日魅子となり、彼女達を否定するのは九峪には出来ないだろう、それが目の前の幼馴染を傷つける結果になることを理解していても。

 

その後降りかかる身の不幸を理解していても。

 

最後に謝ったのは九峪なりの日魅子への罪悪感による謝罪だろう。

 

 

 

 

 

それで、日魅子が納得する・・・・・・・・・・・・・・・・・・訳が無かった。

 

 

 

 

 

「何が、御免なの、九峪雅比古」

 

フルネームで呼び捨てにしてくる日魅子、その背中に阿修羅が見える、気がする。

 

「あの、・・・・・・・・・そのな」

 

先程の毅然とした態度など微塵も無い九峪の狼狽振り、どうやら日魅子の怒気に完全に負けたらしい、情けないことに、戦場で襲われかけたことに比べればかなり楽な殺気だと思うのだが、それとも規格外なのか。

 

「ねぇ、アンタみたいな男の事なんて世間で言うか知ってる」

 

冷徹で、冷酷で、極寒の風雪を思わせる異端審問官のような声で、ゆっくりと九峪に近づいてくる。

 

そして九峪と至近の距離に近づいた日魅子に九峪は恐る恐る返答し。

 

「何だ・・・・・・・・・・・・・・・日魅子」

 

「浮気者って言うのよ」

 

ドゴンッ

 

返答は恐ろしい怒気を篭めた声と強烈なボディブローだった。

 

一瞬で九谷の意識がお空に行ってしまうほどの強烈なヤツが九峪の水月に突き刺さっている、ナイスパンチ日魅子、技名ソーラープレキサスブロー。

 

 

 

 

 

その後、九峪が目を覚ましたときには。

 

女達に「また今度話し合いましょう」と伝言をして立ち去っていたらしい。

 

因みに九峪に拳を振るった瞬間に晒された清瑞の殺気に逃げたとも言えるが。

 

 

 

 

 

 


後書き

 

改訂版第二話ですここまでで従来の三、四話、次からは半分が新出の内容と為ります。


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