ラブ・ペア・パニック



 アシュタロスの事件から1年後、なんとあのDr.カオスによりルシオラ復活
の方法が発見された。
すったもんだのあげく、何とかルシオラの復活に成功。
 ルシオラ復活後、主に横島の女性関係でひと悶着あったが、今ルシオラと横島は多くの障害を乗り越えて、今、正に2人一にベッドへと腰掛け乳繰り合っていった。

「ルシオラ、あ、愛している。」

たどたどしく、耳元でルシオラに囁く横島。当然、ルシオラの答えは

「うれしい、横島。私も愛している。」

と横島へと抱きつくルシオラ。そんなルシオラに

「ルシオラできれば横島じゃなく名前で呼んで欲しいなあ…。」

「え!ちょ、ちょっと恥ずかしいけど…。」
「タ・ダ・オ・さ・ん。こ、これでいい。」

   …  …  …

こんな会話を交わしつつ、2人は縺れ合いながら熱い抱擁へと移っていった。

   …  …  …

   …  …  …

   …  …  …

ルシオラ復活後ようやく落ち着きを取り戻した2人は、横島の手綱を上手に掴ん
だルシオラがリードし、この日初めての2人だけの夜を確保するのに成功。今、悲喜劇を乗り越え結
ばれた2人。
しかし、そこは横島君のこと、翌朝、新たなる2人は悲劇(いや、喜劇!)に見舞われることになる。



 翌朝。

「う〜ん、ルシオラ。」

ようやくお目覚めの横島君。横にいる筈のルシオラへと手を伸ばすが、その手は
虚しく空のベットの
上へと落ちていった。

「ん!?」

ならばと、寝返りを打ちベットの反対側へ同じことを繰り返すがやはり腕は空を
切る。

「!?」

もう起床して朝食でも作っているのかと思い、起き上がって周りを確認するが、
そんな様子も窺えな
い。

「ん〜。」

横島はルシオラがどこに行ったのか考えようと腕を組もうとしたした途端、何か
違和感を感じた。
腕を組むと腕に柔らかい感触が伝わり、いつもより違う位置で腕が組まれている。

「あれ?」

横島は胸元を見下ろすと女性の胸のように盛り上がっていた。

「む、胸がある〜!なんじゃこりゃ!?」

巣頓狂な声を上げ、胸へと手を伸ばし思わず掴んでしまう横島。その瞬間、胸か
ら甘い刺激がが走り

「あん!」

と思わず女性のような声を上げてしまう。

「え?今の俺の声!?」

恐る恐るもう一度、自分の胸へと手を伸ばし掴む横島。

「ん〜、横島、朝から悪戯しないで、もう少しねかせてよ。」

ルシオラの声で自分に文句を言われてしまう。

「ル、ルシオラか!ど、どこにいるんだ。」

慌てて叫ぶ横島。その声の必死さで目が覚めたのか

「どうしたの横島、私はここよ。」

と怪訝そうに答えるルシオラ。どうやら目が覚めた様だ。目が完全に覚めたルシ
オラは周りを見回す
が横島が見当たらない。

「横島、どこにいるの。」

何かを恐れるように叫ぶルシオラ。そんなルシオラへ安心する様に

「俺はここだよ。」

返事を返す横島。

「横島、いつもの声と何か違うみたい。」

「ルシオラもな。」

何か達観した様に言う横島。

「それに、同じ場所から声が聞こえてくるけど周りは誰もいないし…!?」

ようやく、ひとつの可能性に2人はたどりつくと、2人はゆっくりと喋り始める。


「俺は…」


「私は…」


「横島忠夫。」


「ルシオラ。」


 … … …!?


 … … …!?


 しばらく、2人?とも固まっていたが、復活すると急いで鏡の前に立つとルシオラの容姿をベースとし横島の特徴が見受けられる綺麗な人物が呆然と立っているのが見えた。
 復活した2人(横島−ルシオラ)は急いで体の各部位を調べていく。

 身長  :横島とルシオラの中間程度。

 体重  :?(20代前半女性の平均体重程)
      『横島、もし見たら後で覚悟しなさい。』
      『… … …』

 胸   :ルシオラより多少大きい(横島談)。
      『横島、元に戻ったら半殺決定。(怒)』
      『堪忍や〜。仕方なかたんや〜。』

 男性機能:有
  『ふん〜、横島のって可愛いだ。』
  『だあ〜、見るんじゃない。るぅ〜、るぅ〜、か、可愛いなんて(泣)』

 女性機能:有
      『ル、ルシオラの…!?』
      『きゃあ〜、横島、み、見ちゃダメ〜!』
  

 容姿  :ルシオラをベースに横島の特徴が程好く混じりエキゾチックな美女?
      『元が美女だからね。』
  『そんなこと自分で普通言うか?』
      『横島、私が美しくないとでも?(怒)』
      『いや、そ、そんなことはないよ…。あは、は、は…』

 精神面 :体へ対する主導権は横島の方が多少強い様子。
      『ん〜、ちょっと動きづらいかな。』
      『まあ、俺の方が主導権握っているみたいだし…。』
      『体、傷つけないでよ。』

 能力  :横島の文珠や霊波刀、ルシオラの光の操る能力等使用可。
  『予想通りね。』
      『…。』
      『あ、二文字入れられる文珠も簡単にできる。良かったわね、横島。』
      『…。』

 霊力  :現時点で不明。小竜姫よりは上!?
      『妙神山に行って確かめてこようかしら。』
      『小竜姫様よりも上ってことをか?』
      『バカ、限界をよ。』

 今の状態を確認した2人(1人)はとりあえず洋服を着ることにする。

「ブ、ブラが小さい。」

『………。』

『横島、何か言いたい?』

『い、いいえ。』



   …  …  …



「ブラと上着は私のを着るとして、下方は横島の下着なのよね〜。ハァ〜。」

『何だよ!』

『言わないと分からない?』

『………。』



   …  …  …



「横島のバカ!私の下着を持ってニヤつくんじゃない!」



   …  …  …



「本当、着がえるだけでもひと苦労だわ。誰かさんのせいで…。」

『 … そんなことよりさルシオラ、これからどうよ?』

『なんかあらかさまに誤魔化そうとしているみたいだけど、まあいいわ。やっぱり、Dr.カオスに見てもらうしかないんじゃない?』

『え〜、Dr.カオスに!?あの爺さん普段ボケてるからな〜。それにルシオラ分かってる?』

『分かってるて、何が?』

『カオスの爺さんのことだから、調査とか言って裸に引ん剥かれていろいろ調べられるかもしれないぜ。』

『 … そ、それはイヤね。でも、行かなきゃこの状態のままなんじゃない、横島?』

『どうせ、行かなきゃいけないなら誰かに付いて来てもらおうよ、ルシオラ。』

『ハァ〜、なら行く先はきまりね。』

『そう、美神さんのところ。』


                      ◆


 電車で美神除霊事務所へ向かう横島−ルシオラ。

『ねえ、横島?』

『うん、なんだいルシオラ。』

『駅に向かっている時から視線が私達に集まっているみたいなんだけど…』

『野郎の視線か?それだったらルシオラの時の姿でもあっただろう。ルシオラ、可愛いし。』

『あ、ありがとう(ポッ)。』

ルシオラが心象風景で赤くなると同時に横島と一緒になっている体の方も頬を赤く染める。そんな2人(1人)の様子を見ていた電車内の乗客達の目の色が変わると2人も電車内の空気がおかしいのがわかった。

『横島、今、視線が何か厳しくなった様な気が…。それに女の人も変な視線を向けてくるし…。』

『う、何か取り囲まれている様な気が…(すでに取り囲まれています)。目の色も皆妖しいし…。』

それを肯定するかのように2人(1人)を中心に半円状に取り囲み、半円を徐々に狭める乗客。

『ど、どうしよう横島。』

『どうしようって、に、逃げるしかないんじゃないか。』

『この状況で逃げるって、いったいどうやって?』

『サイキック・猫だましで目をくらまして、窓から逃げる。』

『じゃあ、急ぎましょう。何か今にも飛び掛ってきそうだし。』

『1.2.3. サイキック・猫だまし。』

横島達の一つになった体が手を合わせた瞬間、閃光が車両内を満たし、横島達を取り囲んでいた乗客達の目をくらます。

閃光が収まった後、そこには横島達の姿はなかった。

それを確認すると乗客達は皆首を捻りつつ元の位置へと戻っていった。



『いったい、何だったんだ?』

窓から外に飛び出し、現在、飛行中の横島−ルシオラの横島は思わず呻いていた。

『何か、男も女も尋常ではなかったわね。』

冷静に先程の様子を分析するルシオラ。何気に女性の方が男性よりもGSでは図太いのかもしれない
(いや、図太い)。

『とにかく、美神さんの所まで行ってこの状態をどうにかしてもらおう。女はともかく男に迫られるのはイヤじゃ〜!』

『よ・こ・し・ま!女はともかくとはどういうことよ!私が一緒なのにもう浮気するき?』

横島へ泣き崩れる映像を送るつけるルシオラ。それを見せられた横島はしどろもどろに

『いや、だからさ。その〜、気分の問題と言うか…。あの、その…。』

何とか言い訳しようとするが、それもルシオラの笑いに遮られてしまう。

『うふふ、冗談よ。横島ったら、本気でうろたえちゃって…。』

『酷いよ。ルシオラ。』

思わず、溜息を吐く横島。その瞬間を見澄まして

『でも、やっぱり浮気をだめよ!』

鋭い視線を投げかけるルシオラ(もちろん心象風景の中で、今、体2人1つだし)。

『はぁいぃ!』

心象風景の中でルシオラ相手に体を縮みこませてブルブル震えている横島の姿があった。


                      ◆


そんな痴話喧嘩をしながら美神除霊事務所に辿り着く2人(1人)。

『あれ、いつの間にかに美神さんの事務所だわ。意識せずに事務所に着くなんて横島の体の影響かしら。』

変な感心をしながら、いじけたまま返事をよこさない横島に呆れ気味の視線を向けながら宥めにかかるルシオラ。

『ほら、横島いつまでもいじけてないの。』

『忠夫。』

『え?』

『呼び方が横島に戻ってる。忠夫って呼んでくれなきゃイヤだ!』

『もう、ほんとに子供なんだから。タ・ダ・オ。ほら、これで良い?』

駄々をこねる横島に呆れたのか幾分投げやりに答えるルシオラ。

『う、う、う、ルシオラ、なんか冷たい。』

『美神さんの所に着いたんだから、さっさと中に入って相談しよう横島。』

『ハァ〜、わかったよルシオラ。』

 心の中でイチャツキながら美神の事務所玄関へ向かう2人(1人)。玄関で立ち止まると横島の意識が表に出て美神事務所(兼邸宅)を管理する人工幽霊一号に話しかけた。

「よ、人工幽霊1号、美神さんはいるか?」

「…」

「お〜い、人工幽霊1号返事は?」

「失礼ですが、どちらさまでしょうか。私の記録では初対面のはずですが。」

しばらく間があったが立直ったのか人口幽霊1号から返答がきた。

「やっぱ、この格好じゃわかんないかな。俺は横島だよ。」

「横島さん?容姿・霊波からとても横島さんとは認められませんが。」

「う〜、なんかわかんないうちに朝起きたらルシオラと混ざった状態で一緒になっていたんだ。」

「それで霊力の他に魔力が一緒に検出されているのですね。
 
 容姿の方も御二方が特徴がうまく混合されて不思議な感じがします。
 
 いつ元に戻られるのですか?」

「それを相談しに来たんだけど、で、美神さんは?」

「美神オーナーはまだ就寝されていますが。」

「まだ、寝てる?」

「はい、昨日はお仕事をなさっておいででしたので。起床するまでお待ちになりますか?」

「ん〜、この姿でおキヌちゃん達には会いたくないな〜。」

「先生の匂いがするでござる。」

事務所の中からシロの声が聞こえたかと思うと、ドアが勢い良く開け放たれ入り口で躊躇していた横島−ルシオラに飛び込んで来た。

「先生!」

横島の意識が表に出ているため、つい何時ものように身構えて抱きしめようとしたが、ルシオラと一緒になっていることを思い出しルシオラの体を傷つけないよう無情にも身を翻し避けた。

すると当然シロは受け止める相手がいないため、地面とお見合いし飛び込んだ勢いのまま転がっていく。

「ちょっと、馬鹿犬何をしているのよ。」

後から追いついてきたタマモが呆れたようにシロに声をかけると

「拙者は犬ではござらん。何度言えばわかるでござる。このクソ狐。」

いつものようにタマモへ返答を返すと横島−ルシオラの方を向き

「先生、避けるなんて酷いでござ…?!」

文句を途中で言いかけやっと横島−ルシオラの姿に気づいた。

「誰(でござる)?」

シロとタマモが同時に喋り横島−ルシオラを警戒するように見つめる。

「おい、一緒に喋るな。まあ、言いたいことはわかるけれどな。」

横島−ルシオラは2人に微笑みかけると2人は顔を赤くし俯いてしまう。

「ん、どうした?」

横島は様子が変わった2人へ問いかけるが、2人が首を横に振るとそのまま気にせず

「俺だよ、横島だよ。」

サラッと流すように言う。心の中で様子をうかがっていたルシオラがいくら何でもと思い、慌てて横島から主導権を奪い表にでると

「私と…、あ、私ルシオラなんだけど、横島と一緒になっているみたいなの。」

横島の発言で足りなかった部分を言い添える。それを聞くとシロは横島−ルシオラに近づき匂いを確
かめると

「確かに、先生とルシオラ殿の匂いがするでござる。」

それを聞いたタマモは

「まあ、横島のことだから何があってもおかしくないけれど、何もルシオラまで一緒に…。」

呆れたように横島−ルシオラを見ながら呻く。

「あははは…。」

言い返せないのか誤魔化し笑いをする横島−ルシオラ。そんな横島−ルシオラをシロとタマモはジト目で見つめる。誤魔化し切れないので、何とか話を逸らそうと2人に近づくと2人の頭に手を乗せて

「まあ、そう言うなって。」

言葉をかけ頭を優しく撫でてやる。

「あ!」

シロとタマモは頭を撫でてもらった途端、頭から穏やかな暖かいものを感じ、思わず叫んでしまった。

「ん、どうした?」

2人の上げた声に驚き、思わず2人を撫でていた手を引っ込めると

「あぁ〜」

思わず2人から残念そうな溜息が上がる。そんな中、事務所の部屋の方から

「シロちゃん、タマモちゃん一体誰が…。」

シロとタマモが玄関に行ったきり戻らないので心配になったおキヌが来てみるとルシオラに良く似た女性が頬を赤く染め俯いているシロとタマモと一緒に立っていた。

そんな様子に訝しげに思いながらもルシオラに良く似た女性に取りあえず声を掛けてみた。

「あの、どちら様でしょうか。」

その女性は何か傷ついたような表情でおキヌを見つめると

「あの、おキヌちゃん、俺だけど。」

声質は違うがおキヌの聞き覚えのある声の抑揚で返事があった為、思わず

「え?」

と聞き返すおキヌ。

「まあ、この姿じゃわからないと思うけど…。」

寂しそうに言う女性に見覚えのある姿が浮かび今の姿と重なる。

「もしかして横島さん。」

「あたり、まあルシオラと混じちゃってるけれどね。」

自嘲気味に答える横島−ルシオラ。

「何故、ルシオラさんと合体しちゃたんですか?」

「いや、昨晩ルシオラと一緒に寝てたんだけど、朝起きたらこんな姿に…。」

『ちょっと、横島、そんなことまで言わなくて良いの。』

セリフの途中、心の中でルシオラにつっこまれ横島が自分で何を言ったのか気づき周りを見ると、おキヌ、シロ、タマモから冷たい視線で見られていた。

「あははは…。」

墓穴を掘った横島は笑って誤魔化そうとするが、3人の視線は益々冷たくなる。

『俺が一体何をしたちゅねん』と鈍感ぶりを発揮しながら心の中でいじけて呟いているとルシオラが表に出てきて

「横島と合体しちゃったから、美神さんに相談しに来たんだけど、まだ寝てるのよね。」

ルシオラが出てきたことで、何とか3人の冷たい視線から逃れた横島−ルシオラ。美神が起きるまで事務所の中で待つこととなった。横島が心の中でいじけてブツブツと呟いているため、ルシオラ、おキヌ、シロ、タマモで横島のことをいろいろ話しながら時間を潰していたが、横島−ルシオラの現状の容姿へと話題が変わっていく。

「それにしてもルシオラさん綺麗。」

いつの間にか熱い眼差しで横島−ルシオラを見つめるおキヌが言うと、

「でも、横島がいい感じで混じっているっていうか。なんか中性的な感じよね。」

「ルシオラ殿の美しさに、先生の凛々しさが加わった様な感じでござる。」

おキヌの発言からそれぞれの印象を言うタマモ、シロ。

「横島が混じった姿で言われても、ちょっと複雑なんだけど…。」

3人の発言を聞いてルシオラは溜息まじりに返事をすると

「も、もちろんルシオラさんの時も綺麗ですよ。」

「まあ、元が良いからね。」

「そうでござる。」

慌てて取り繕うように言うおキヌ達。そんな様子が可笑しかったのかルシオラは

「気を使ってくれて、ありがとう。」

と言うとおキヌ達へ微笑んだ。その微笑を見てビシッと固まる3人。どうやら横島の持つ個性的な女性や人外の女性を引き付ける力がその中性的(両性的?)容姿とその纏う雰囲気と相まってパワーアップしているようである。やがって、固まっていた3人は頬を紅く染めながら俯くとチラチラと横島−ルシオラの姿を伺う様になった。

そんな様子を見て訝しげに思ったルシオラは

「ねえ、3人ともどうかしたの?」

と尋ねたが返ってきた答えは

「な、何でもありません。」

「何でもないわよ。」

「何でもないでござる。」

3人とも似たような答えが返ってくる。

「?」

疑問が残ったがとりあえず気にしないことにしたルシオラ、そのまま3人と引き続き話し込んでいたが、徐々に3人の目の色が潤んでき、取り囲まれるような状況に至って先程、追求の手を緩めたの己の判断を後悔した。

『ちょっと、横島いつまでもいじけていないで、何とかしてよ。』

この状況から抜け出そうと横島を復活させようとするが、それよりも早くシロが動いた。

「先生!」

叫ぶと同時に横島−ルシオラに飛び掛り横島−ルシオラの顔中を舐めまくる。

その行為、自体はシロが横島によくやっていることだが、異常な雰囲気と正常でない視線に晒されルシオラも落ち着いて相手にできない。

「ちょっと落ち着いてシロちゃん。タマモちゃんもオキヌちゃんも落ち着いて、ね、ね。」

何とかシロを引き剥がすと、3人から部屋の中を逃げ回る嵌めになった。逃げながらルシオラはもう
一人の復活してこない心の片割れに向かい心象風景使用して体を構成し。

『横島、いい加減に返ってこい!』

ガラの悪いセリフを叫びつつ横島の頭へ飛び蹴りを放つ。

『ガァ!痛いじゃないかルシオラ。』

復活した横島が蹴りを放ったルシオラに文句を言おうとすると

『いつまでもいじけているのが悪いんでしょ。それよりもこの状況どうにかしてよ。』

ルシオラが視覚情報を横島に与えると、おキヌ、シロ、タマモが潤んだ眼差しをしながら縋ってくる映像が見えた。

『どうなってんだルシオラ?』

今まで見たことのない様子に思わずルシオラに尋ねるが

『あ〜ん、私だって分かんないわよ。気がついたら3人に迫られてたの。電車の中の時とと同じ状態。

 暴力を振るうわけにもいかないし。』

横島−ルシオラの体の制御を横島に急いで移すと、横島は文珠を急いで作り”眠”の文字を入れて縋りついてくる3人に向かい投げ発動させ眠らせるとやっと落ち着きを取り戻した。

『いったい、どうなっているんだ?』

3人をソファーに移しつつ呻く横島−ルシオラ。この後、3人をソファーに移し終えるとDr.カオスの元へ急ごうとする横島−ルシオラの姿があった。


                      ◆


その日、一日、街中で一人の妙齢の女性が不特定多数の老若男女のから追いかけられる姿が見受けられた。

『いや〜!何で皆、追いかけてくるのよ。』

『若い女性はともかく、爺婆や野郎ガキンチョはな〜』

『…』


                      ◆


結局、その日はDr.カオスの元には辿りつけずに疲れ果てた表情でアパートへ戻る横島−ルシオラの姿が見受けられた。


                      ◆


 翌朝。

横島−ルシオラが一人で寝ていたはずのベットに、人が一人増えていた。横島−ルシオラが着ていたパジャマは脱ぎ散らかしたように散乱しており全裸で抱き合うようにして眠る2人。

やがて、2人とも目を覚ましお互いの無事を確認しあうと

「昨日のは、いったい(なんだったんじゃ〜)なんだったの〜!」

お互いを見つめあいながら呆然と呟いている姿が見受けられた。



Fin。


おまけ

「ちょっと、横島、昨日の『若い女性はともかく、爺婆や野郎ガキンチョはな〜』て言うのはどういう意味?」

「かんにんや、仕方なかたんや〜。」

しばらく経って正気を取り戻すと痴話喧嘩を始める2人。

ちなみに未だ2人とも全裸。どうやら昨日のセリフ追求の為、そこまで気が回っていないらしい。

   …  …  …

   …  …  …

   …  …  …

「ちょっと、横島、どこ見ているの。」

「横島、聞いているの。だいたい横島には節操というものが………」

「こら、横島、朝っぱらから何を…」

「ね、ね、横島、お、落ち着いて。」

どっからそうなったのか痴話喧嘩では上げない甘い声に変わり、特殊な運動へと移行。

「あん、よ、横島!」

「ルシオラ〜!」

一際高い声を上げると一緒に崩れ落ちる2人。その2人を淡い光が包んだ。

   …  …  …

お昼近くになって目を覚ます2人。

「何、これ。」

「何でまた、また合体してる(んだ)の。」

頭を抱え叫ぶ横島−ルシオラ。昨日の悲劇(喜劇)がまた繰り返される。


こんどこそ本当に Fin。


「まて〜、こんな終わり方納得いかん〜!俺達はやり直しを要求する!」

   …  …  …

…多分、続かない…









あとがき

 初めまして。天野 秤です。
 遅くなりましたがsara様HP開設おめでとうございます。
1月末に華の残照の掲示板でHPを開設されるとアナウンスがあったので開設記
念にと奮起して書い
てみたのですが如何だったでしょうか?

2月の初旬を目標に書いていたのですが、何せ1年前に初投稿で書いた18禁
ゲームの中編FF以来
活動していなかった為、ここまで伸びてしまいました(サイズもテキストベース
で10k超るし)。

こんな駄文でも喜んで頂ければ幸いです。
稚拙な点、表現のおかしな点等ありましたらご指摘お待ちしております。

ちなみに、元ネタはGS美神と魔女でもステディ(早川文庫 岬 兄吾 著【敬
称略】)です。

管理人の感想

何が原因で二人が合体してしまったか判りませんが(横島の煩悩が自動で双極文殊でも作って発動したんでしょうか)迫られる部分が結構良かったです、でも原因不明なのでオチがついてない気もしますが。
あと、美神が出てきていないので彼女の反応が気になりますね。


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